ただ、英語力があればいいというものでもない。IBDPの特徴は、単なる知識の暗記ではなく、主体性や論理的思考力、探究心が必要とされる探究型学習である。中学時代とは、かなり違う学びになる。ついていくのも大変だ。
そういう授業を高校時代に体験し、やってきているので、海外大学に留学してからも違うという。青木氏が説明する。
「海外の大学では、あるテーマについて何百ページもの文献を読んで短期間にレポートを書くという課題がしょっちゅう課されます。日本で普通の高校を卒業して留学すると苦労することになりますが、うちの生徒は慣れているので平気です。だから、これまで海外大学に留学してもドロップアウトしたという例はありません」
海外大進学への進路指導の中身
国際高校はIBのDPプログラムでの授業を行うが、日本の公立高校でもある。そうなると、文科省が定めている学習指導要領も尊重しなければならない。
IBDPと学習指導要領の両方を履修しなければならないとなると、二重の負担になっていないか心配になる。青木氏が説明する。
「1期生、2期生までは高2と高3の夏休みに、普段の授業では抜けてしまう学習指導要領の分を補う穴埋め授業をやっていました。しかし3期生から、IBのヒストリー(歴史)をやっていれば学習指導要領の世界史や日本史をやったとみなすような読み替えを文科省が認めてくれるようになりました。なので、IBと学習指導要領の両方をやる必要がなくなったので楽になりました」
海外大学を目指しやすい環境になったといえる。日本の受験では、とかく「有名大学への合格」に重きをおいてしまうところがある。それと同じで、海外大学への進学を大きな目標にしている国際高校では、海外の有名大学への進路指導に重点をおいているのだろうか。
「IBの最終試験で満点をとった生徒がいて、『オックスフォードに進学したい』と言っていました。成績的には問題なかったのですが、国際高校は『生涯学習者を育てる』ことを大事にしているので、『オックスフォードで本当にやりたいことを学べるの』という問いを教員から投げかけていました。
いろいろ話をする中で、自分がやりたいことを考えていって、最終的には専門分野に偏らずに人文・社会・自然科学などの幅広い知識を横断的に学べるアメリカのリベラルアーツカレッジに進学しました」と、青木氏。
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【29年度開設、仮称「都立新国際高等学校」とは?】
