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不登校35万人超、「3人に1人」が家庭で孤立《どこに相談すればいい?→まずは自治体》民間含めたサポート体制構築の道筋

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机にうずくまる小学生
不登校の子どものうち約13万人が専門的な相談や指導をいっさい受けられていないという(写真:Ushico / PIXTA)
  • 中曽根 陽子 教育ジャーナリスト/マザークエスト代表
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① 教育支援センターの拡充やメタバース空間の構築を目指すルートにある壁

行政主体の「制度拡充経路」における課題
物理的な限界:予算や人員確保のハードルが高く、対応業務の複雑化が障壁となります。
運用の課題:近年増えている「校内支援センター」も、教室には入れない子にとって有効な一方、運営を教員経験者が担うことが多いため、従来の学校の雰囲気が強く残り、合わない子もいるという現実があります。

② フリースクールの運営費補助や家庭への利用料補助を強化するルートにある壁

官民連携の「民間育成経路」における課題
政治的ハードル:最大の壁は予算ですが、議会から「公教育を破壊するのか」といった反発が出ることもあり、首長の理解度に大きく左右されます。
コミュニケーションの難しさ:民間団体はそれぞれ活動方針が異なるため、行政と完全に同じ方向を向くための対話には多大な労力を要します。

注目は「メタバース」の活用

こうした課題がある中、公的支援を進めている自治体の中には、オンラインの居場所提供や、思い切った予算付けで多様な学びを支援する事例が出てきています。

例えば、場所や運営に物理的な課題があるとされる教育支援センターについては、島根県雲南市の取り組みがユニークです。廃校となった旧・温泉小学校を活用して、雲南市とNPOの官民連携で教育支援センターを設立し、運営は民間(NPO)へ委託し、予算規模に合わせ段階的に拡充していくことで、人員や予算制約に対応しています。

支援センター従事者向けへの研修のニーズも先進自治体で共通して高まっており、千葉県柏市では、民間の力を借りて多様な利用者に対応するためのプログラムを作って研修を実施しています。

民間支援に関しては、赤字になりがちなフリースクールの経営の安定化や、利用者の負担を軽減するために補助金を出す自治体もあります。

例えば滋賀県草津市は、学校とフリースクール等の連携の考え方や手順を市が明文化したうえで、市が認定したスクール利用者に対して上限月4万円の補助を出すなど、横断的な施策で地域一体となって課題を解決しようとしています。

そして、とくに注目したいのは「メタバース」の活用です。今回の報告で先進事例として紹介されていた鹿児島市では、どこにもつながれず、自宅で過ごしている児童生徒に対して多様な学びの場を確保することを目的に、24年度から事業化しました。

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【「北極星」を見失わないために】

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