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不登校35万人超、「3人に1人」が家庭で孤立《どこに相談すればいい?→まずは自治体》民間含めたサポート体制構築の道筋

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机にうずくまる小学生
不登校の子どものうち約13万人が専門的な相談や指導をいっさい受けられていないという(写真:Ushico / PIXTA)
  • 中曽根 陽子 教育ジャーナリスト/マザークエスト代表
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自宅から出られない子どもたちが仮想空間で交流し、その結果としてリアルの登校や行事参加につながった例も報告されています。

一方、課題としては、登録当初は興味を示してログインしてくるが、それを継続させていく手立てを工夫していく必要があるということが挙がっていました。

◎メタバース運用の実際

鹿児島市では自宅で過ごしている児童生徒の学びの場として「メタバース」を事業化(出所)鹿児島市教育委員会児童生徒支援課

これについてeboardの中村孝一代表は、「出口を『外に出ること』とせず、まずは空間内で人と関わり、エネルギーを回復・蓄積することに集中させる姿勢が重要だ」と指摘します。

また、長野県の「信州型フリースクール認証制度」のような包括的支援は、地方において特に重要です。地方ではフリースクールの淘汰が地域の居場所の喪失に直結するため、行政が質を担保しつつ支える仕組みが、学びの多様性を守る生命線となります。

しかし、包括的支援への一足飛びの進化は難しいので、段階的に体制を整えていく必要があります。

「北極星」を見失わないために

eboardは、今回の調査を経て、以下の3点を提言しています。

1. 対話の早期構築:フリースクール等民間団体の存在なくして、不登校の子の居場所や学びの確保は実現できない。関係構築には、時間を要するため、自治体担当者と民間団体が早期に関係を築くこと。

2. 地理的条件や人口動態に応じた細部にわたる制度設計:表面的なツール導入に飛びつくのではなく、各自治体が置かれた地理的条件や人口動態、民間団体との関係性等の要素に基づき、近しい条件に置かれた好事例の細部から学び、制度設計する。

3. 学校内の体制整備との両輪:学校外を充実させるだけでなく、学校や教室がすべてのこどもが安心して過ごし、学べる環境へアップデートしていくこと。

不登校35万人という現実を、一気に解決する魔法はありません。しかし、「子どもの学びと居場所を保障する」という共通の目標(北極星)を掲げ、公民が一丸となって向き合えるかが今、問われています。

保護者は、自分だけで抱えこまず、まずは在籍校や自治体に連絡を取り、学校のスクールカウンセラーや教育センターなど公的機関に相談してみる。そして、学校復帰だけをゴールにせず、周囲にどのような支援があるのかを調べてみることも大切です。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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