「目の表面の細胞は、常に入れ替わっています。瞬きをすることで、古い細胞をこすり取り、涙と一緒に外へ洗い流すとともに、新しい細胞が下から上へと出てくる仕組みです。しかし、紫外線で目の表面が乾燥すると、晴れた日に車のワイパーをかけるように、瞬きで目が傷つきます。紫外線とダブルのダメージを受けるというわけです。
通常、紫外線角膜症は1時間ほど目をつぶって冷たいタオルなどで覆えば改善しますが、炎症が重度になると、激しい痛みや充血を伴って角膜の表面が部分的に剥がれる『角膜びらん』となり、視力低下や失明に至るおそれもあります」
水晶体は一度濁ると元に戻らない
さらに要注意なのは、紫外線は目の表面だけでなく、目の奥にある水晶体にもダメージを与えることだ。
「水晶体は、カメラのレンズのように外部の光を通し、ピントを調節しています。無色透明であることで、その役割を果たすことができていますが、紫外線を浴びると白く濁り、白内障の進行を後押しします」
白内障は、老化によって起こるダメージ蓄積型の病気だ。目の水晶体は、一度濁ると元に戻らないため、徐々に見えづらくなり、視力が低下していく。いきなり全体が濁るのではなく、水晶体の周囲からうっすらと濁り始めるため、初期段階では気づかないことも多かった。
ところが近年の紫外線量の増加によって、ダメージ蓄積のスピードが早まっている。従来、白内障は60代以上の発症が多いとされ、手術での治療は70代が大多数だったが、今は「40代後半や50代でまぶしさを感じやすくなったり、ものが二重・三重に見えたりぼやけたりする人が増えている」と西之原氏は指摘する。
「見えにくくなると、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスを使いこなすのも大変です。メールやメッセージ、資料などを読み解く時間や精度が低下するだけでなく、眼精疲労や頭痛、肩こりといった症状を引き起こし、気力も失います。車の運転やスポーツでの事故やケガのリスクも高まりますので、早急な対策が必要です。
次ページが続きます:
【日傘をすすめる理由】
