そんなすれ違いを何度も重ねたことから、ハナさんはある提案をした。
「これからも文化の違いを感じたときは、韓国式にするか日本式にするか、それとも第三国方式を取るかを二人で決めていこう。私たち二人だけの国際法を作ろう」
右樹さんは同意したというが、実際はどう思っていたのだろうか。
「最初は何も考えていなかったというのが正直なところです。そういう考え方があるんだなと思って、特に反発はしなかったと思います。僕は彼女と付き合っていたいので、別れることになるのが一番困ります。付き合いたいから、別れないためには何でもしないといけない」と茶目っ気たっぷりに語った。
「気になる人ができたら正直に言う」遠距離を支えたルール
右樹さんはハナさんと付き合うようになり、急速に韓国語に興味をもつようになった。
「彼女がくれる韓国のお菓子のパッケージに書かれていたハングル文字に興味を持ったんです。ハナさんが話す言葉を理解したかったし、結婚前提で付き合っていたので、彼女の親御さんと会う機会があったとき、韓国語で話せないと信用してもらえないんじゃないかと思いました」
今でこそ韓国への関心が高い人は増え、韓国語を学ぶ人も多い。しかし、当時は韓国語を勉強している人は右樹さんの周囲には誰もいなかった。
「マイナーな言語だったからこそ面白かったんです。先生もいなければ教材もないので、ハナさんが渡してくれたテキスト1冊を使ってコツコツ勉強しました。でも、やはり日本で韓国語を学ぶ限界も感じました。日本に住む韓国人は日本語が上手なので、僕が韓国語で喋っても日本語で返ってきます。日本語が通じない韓国人と話すなら、留学するしかないと思いました」
二人が付き合いはじめて2年ほど経った2001年3月、右樹さんは韓国に語学留学した。ハナさんは東京女子大学に合格して、日本で学生生活を続けていたので、二人は遠距離恋愛をすることに。右樹さんの語学留学は当初1年の予定だったが、韓国語をもっと学びたいという意欲が高まり、語学学校卒業後に大学院に進むことにした。
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【「心が変わったら正直に言おう」】
