なかには、AIに「チャッピー」などの愛称をつけて呼び、
「それ、チャッピーに聞いてみようぜ」
「チャッピーにも相談してみなよ」
と、まるで友だちのように何でも打ち明ける子もいます。
宿題のやり方だけでなく、進路や人間関係の悩みまで、まずAIに相談してみる──そんな光景が、すでにごく自然なものとして教室の外で広がりつつあります。大人が知らないところで、子どもたちはごく自然にAIを生活のなかへ溶け込ませているのです。
「子どものAI利用」をよりよく変えるためには?
「それじゃあ、AIの使い方って、誰かから習ったことある?」
先の質問に続けてこう聞くと、今度は一転、ほとんどの子が首を横に振ります。
「こういうことを聞くと面白い」「便利な使い方はこう」という情報があふれる反面、「どう使うと危ないのか」「どんなふうに使うと自分のためになるのか」といった、いわば“交通ルール”にあたる部分は誰からも教わらないまま、多くの子どもたちがとりあえずAIを使っている──これが今のリアルな姿です。
実際、大手教育企業ベネッセの2025年の調査によると、小学生の生成AIの認知率はすでに約75%。そして衝撃的なのは、「分からないことがあったら、人(親や先生)より生成AIに聞く」と答えた小学生が6割もいたという事実です。
ずいぶん前から、子どもたちの情報の入り口が「人」から「AI」に移り変わり始めているのです。
大人の世界ではまだ、「小学生はAIを使うべきか、まだ早いのか」といった議論が続いている一方で、子どもたちはすでにAIという乗り物にまたがり、かなりのスピードで走り出している。親も先生も気づかないうちに、お子さんは指先で、音声で、当たり前のように、AIとのやり取りを日々行っているかもしれません。
私が危機感を覚えているのは、「子どもがAIを使っているかどうか」ではありません。子どもたちがほとんど何のルールも知らないまま、自己流でAIを使い始めているという点です。
次ページが続きます:
【「AIなんて危ない! 今すぐやめさせなければ」は過剰反応】
