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イランは18日、前日の全面開放宣言から一転して海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を再び封鎖した。イランが海峡開放と関連付けていたイスラエルとレバノンの停戦でもほころびが生じており、トランプ米大統領が間近に迫っていると主張するイランとの和平合意の先行きに影を落としている。
イランのペゼシュキアン大統領の報道官は、「度重なる信頼の裏切りと、この大きな譲歩がプロパガンダ目的に悪用されたことを受け、海峡は再び封鎖された」と声明で述べた。
米軍は今後数日以内に、イランにホルムズ海峡の再開を迫るため、イラン関連の原油タンカーに乗り込み、国際水域で商船を拿捕する準備を進めている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が18日、米当局者の話として報じた。
トランプ米大統領は同日、「彼らは長年やってきたように再び海峡を封鎖しようとしているが、米国を脅迫することはできない」と記者団に語った。だが、米国とイスラエルが7週間前に対イラン攻撃を開始するまで、ホルムズ海峡は完全に開かれていた。
「本日中に何らかの情報を得ることになるだろう。我々は彼らと協議しており、強い姿勢で臨んでいる」とトランプ氏は語った。
ホワイトハウスは現時点で、WSJの報道内容に関するコメントの要請に応じていない。
レバノン停戦でも緊張再燃
イスラエルとレバノンでの停戦にも不安定化の兆しが出ている。イスラエル国防軍(IDF)は、停戦に違反して部隊に接近した「破壊工作員」を攻撃したと発表した。
イスラエルとレバノンの停戦合意では、イスラエルが「計画された攻撃や差し迫った攻撃、あるいは進行中の攻撃に対して、いかなる時も自衛のために必要なあらゆる措置を講じる権利を維持する」ことが認められている。
イスラエルは同日、南レバノンで「テロリスト集団」を攻撃した。マクロン仏大統領は、レバノンで国連平和維持部隊に対する攻撃によりフランス兵1人が死亡したと述べ、イランの代理勢力であるヒズボラに責任があるとの見方を示した。
トランプ米大統領は17日、イランとの7週間に及ぶ戦争を終結させるための合意が間近に迫っているとの見方を表明。イランの「核のちり」の回収に米国が協力すると述べていた。
これに対し、イラン外務省のバガイ報道官は17日遅くに国営テレビで、「濃縮ウランはイランの国土と同じように、われわれにとって神聖なものであり、いかなる状況下であれ、どこへも移送されることはない」と発言。核問題を巡る双方の隔たりが大きいことが浮き彫りとなっていた。
海峡通過を断念
船主2社によると、イランはホルムズ海峡の封鎖を無線通信で船舶に通告。ある超大型タンカーは銃撃を受けていると無線で発信したという。
英海軍は、タンカー1隻がイスラム革命防衛隊(IRGC)の武装ボートに接近され、その後発砲を受けたと発表した。船舶と乗組員は無事だという。これとは別に、あるコンテナ船はオマーン沖で正体不明の飛翔体の攻撃を受けたと話している。
今回の再封鎖は、数時間にわたる混乱の末に起きた。一部の船舶は海峡通過に成功したものの、複数の船主が数週間にわたり足止めに遭っている船舶の退避計画を断念。少なくとも原油積載のタンカー9隻がUターンした。
イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師は、国軍記念日に合わせた声明で、「海軍は敵に新たな敗北の苦さを味わわせる準備ができている」と述べた。ただ、発言がホルムズ海峡を巡る直近の動きに直接関連しているのかは明らかでない。
イランのアレフ第1副大統領は、同国がホルムズ海峡を掌握しており、自国の権利は「交渉の場でも現場でも」確保すると述べた。イランの政府系メヘル通信が伝えた。
著者:Alex Longley、Weilun Soon、Arsalan Shahla
