TBS「報道特集」の"補足"はあまりにも"蛇足"すぎた… 「詰むんですよ、日本」炎上騒動で露呈したテレビ報道の構造的敗北

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「報道特集」公式Xアカウント
エネルギー供給をめぐるTBS「報道特集」の放送内容が炎上騒動に発展。番組は火消しに走ったが、一連の事態は現状のテレビ報道がはらむ問題を浮き彫りにした(画像:「報道特集」公式Xアカウントより)

TBSの報道ドキュメンタリー番組「報道特集」が、4月4日放送回でエネルギー危機を特集した。中東情勢の緊迫化でホルムズ海峡の航行が困難になる中、日本のエネルギー供給に警鐘を鳴らす内容だった。

だが、その内容をめぐってSNSで炎上騒ぎが起きた。きっかけとなったのが、VTRでナフサ不足についてインタビューに答えた資源エネルギー庁有識者委員の境野春彦氏(Connect Energy合同会社 CEO)のコメントだ。

「間違いなく今の状況が続いたら6月には詰むんですよ、日本」

翌日に高市首相が「事実誤認」と投稿

これに対して翌5日、高市早苗首相がX(旧ツイッター)で反論。番組名こそ出さなかったが、明らかに「報道特集」を指して「事実誤認」と断じた。輸入済みナフサと国内精製分で2カ月、川中製品の在庫で2カ月、合計4カ月分は確保しているという具体的な数字を並べたうえで、中東以外からの輸入も倍増すると主張した。

高市首相ポスト
放送翌日に高市首相が投稿したポスト。番組名こそ明記していないものの、「事実誤認」と断じている(画像:高市早苗Xアカウントより)

ここまでの流れ自体が、すでに異例だ。現職の首相が、放送直後にXで特定の番組の報道内容を否定する。従来のジャーナリズムの文脈で言えば、これは権力による報道への介入と受け取られかねない行為だ。

報道機関が専門家の見解を紹介し、政府の対応に疑問を投げかけることは、「権力の監視」という報道の本来的機能である。それを首相がSNSで即座に「事実誤認」と切り捨てる。この構図だけを取れば、報道の萎縮を招く危険なシグナルだと言っていい。

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