世界各地で行われる大規模イベントのたびに都市をマヒさせる交通渋滞。高精度な予測が難しいとされてきたその課題に、日本発のベンチャーが挑んでいる。
宇宙ビジネスの主戦場は、人工衛星の製造や打ち上げといったハード面から、衛星データを用いたソリューション開発へと広がりつつある。ターゲットは、広大な国土を持ちながら交通・人流データの整備が遅れる中東などの海外市場だ。
その最前線にあるのが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「衛星データ利用システム実装加速化事業」に採択されたロケーションマインド(LocationMind)のプロジェクトだ。
中東の主要都市で深刻化する交通渋滞
ロケーションマインドは、衛星データを活用して人流の分析・予測を手がける東京大学発のベンチャーだ。
同社は現在、中東の主要都市で開催される大規模イベントにおける交通混乱の解消を目指す「次世代交通計画支援AI」の開発に取り組んでいる。プロジェクトの総事業費は約2.5億円。その3分の2をJAXAの宇宙戦略基金からの補助で賄う計画だ。
今、サウジアラビアなど中東各国は「脱石油経済」を掲げ、サッカーW杯をはじめとする大規模な国際的イベントの誘致を積極的に進めている。一方で、都市部の移動は自家用車への依存度が極めて高い。そのため、大規模イベント時の交通渋滞が大きな社会課題となっている。
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