直接的な表現は避けつつも、「歴史の教訓を顧みない外部勢力が地域の緊張を高めている」と述べ、日本の防衛費増額や日米台連携の強化について、中国側が警戒する論調に歩調を合わせた。
そのうえで「中台が結束することで、外部勢力による侵略や内政干渉を許さない体制を築くべきだ」と語り、軍事的対抗よりも中台間の和平的枠組みを優先すべきだとの考えを示したのだった。
中国側「台湾における理性的な声」と主席発言を評価
さらに、こうした一連の発言を踏み込み、4月11日には北京市共産党委員会書記の尹力氏との会談で、具体的な協力案にも言及する。
鄭氏は「抗日戦争」および日本統治からの解放を意味する「台湾光復」に関する公文書や史料について、中国共産党と国民党が共同で管理・展示する枠組みを提案したとされる。
加えて、台湾における親日的と指摘される教育、すなわち民主進歩党(民進党)政権下の歴史教育を念頭に、「若い世代に正しい中華民族の歴史認識を伝えるため、両党が協力し対日抵抗の歴史を広めるべきだ」との考えを示した。
これらの言動に対し、台湾国内では「中国の対外プロパガンダ、いわゆる統一戦線工作に利用されている」との批判が噴出し、民進党や本土派団体から強い反発を招いている。
一方、中国メディアである新華社などは、こうした発言を「台湾における理性的な声」と位置付け、大きく取り上げている。結果として、日本・台湾・アメリカの連携に揺さぶりをかける材料として利用されているとの見方もある。
日本側から見れば、国民党が近年、反日姿勢を強める中国と歩調を合わせたように映る可能性がある。ただし歴史を振り返ると、日中戦争期(1937~45年)や日華断交(1972年)の時期を除き、国民党が一貫して反日路線を取ってきたわけではない点も見逃せない。
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【必ずしも反日一辺倒ではなかった国民党】
