その後、筆者は別の会社を経験したのち、企業間のM&Aを仲介する日本M&Aセンターに入社した。その会社では、「3KM」を社員の働き方の理念として掲げていた。
これは3つの「K」と3つの「M」からなる。3つの「K」というのは「家族」「個人」「会社」。この3つがバランスの取れた状態を目指すというものだ。
「会社」だけを重視してたくさん働いて給料だけ稼いだところで、「個人」である自分や「家族」を犠牲にしては、結果的に仕事もうまく回らなくなるだろう。
反対に、ワークライフバランスを大事にしすぎるあまり、「個人」や「家族」ばかりに目を向けていては、「会社」の仕事で結果を出せない。
それでは結果的に給料も増えずに、「個人」や「家族」にお金を使うことはできなくなる。「こんなことがしたい」と家族や個人で思っていても、それを叶えられないということだ。
3つの「K」がすべてバランスよくできたときに車輪がぐんぐんと回り出すと、その会社では強く言われていた。
ちなみに3つの「M」は「意欲(motivation)」「目標(mark)」「管理(management)」を指し、意欲を高め、目標によって、日々の業務を管理していくことを指す。
3つのKを回すためのユニークな施策
3つの「K」をバランスよく回すために、具体的に何をするのかというと、3年後、5年後、10年後の目標を書き出すという施策があった。
「年収いくらに到達する」「管理職になる」「アワードを受賞する」などはみなさんも会社の目標設定で書いたりする、よくある目標だと思うが、この会社の施策で面白いのは「家族」「個人」にまつわる目標を書かせることだ。
「○年後にどこにどんな家を買う」「○年後にどこに旅行に行って、どのホテルに泊まる」など、かなり具体的に書かされていた。
そして、それを達成するために「いつまでにいくら貯金しないといけない」、そのためには「いつまでに給料をどれだけ上げていないといけない」ということまで落とし込んでいた。
ちなみに筆者の目標には、「いつまでに結婚する」「いつまでに子どもをもうける」といったことも含んであった。
これらを叶えた「なりたい自分」になるためには、仕事で何をすればいいのかを逆算することになる。すると、「どんどんチャレンジしなければ、その理想像が実現できない」ということに気づいた。
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【目標がなければ大きな成長は得られない】
