続いて、全体で減少傾向が見られたテレビの年代別利用率を図5で確認します。
スマートフォンとは異なり、高年齢層の利用率が90%前後で高止まりしています。結果からは、テレビとスマートフォンという2つのデバイス間では主な利用者層が対照的であることがうかがえます。さらに年代別の動きに注目すると、直近5年間でテレビの利用率が最も減少しているのは30代であり、10代や20代よりも大きな下げ幅です。一方、60代はほぼ変化がなく97%台を維持しています。
「テレビを持たない人」が増えている
「若者のテレビ離れ」がよく言われますが、実際にデータを見ると、最も利用率が減少しているのは30代であり、若年層だけがテレビ離れをしているといったイメージはやや修正すべきかもしれません。なぜ若年層はテレビを観ないイメージが強いのでしょうか。
その背景の一因として「テレビ保有率の減少」が考えられます。図6は、i-SSPパネル協力モニターへの意識調査から、家庭内でテレビ機器を保有している割合を集計したものです。
19年と24年を比較すると、10~20代の保有率が大きく低下しています。親と同居しているときは家庭にテレビがあるのが当たり前だったのが、一人暮らしを始めたタイミングでテレビを購入しなかった若者の姿が浮かびます。また、利用率の減少が見られた30~40代でも、若年層ほどではないにせよ保有率は下がっています。つまり「テレビ離れ」とは「テレビを観なくなった」というより「そもそもテレビを持たない人が増えた」と捉えることができるのかもしれません。

