競馬である。
競馬界は、生産・育成、調教、レース施行、馬券業(?)の4つの部分からなる。日本は、最上流と最下流で大成功した。根源は、最下流の馬券業であり、これは、その一つ上流のレース施行と一体化して運営してきたJRA(日本中央競馬会)が素晴らしいビジネスモデルを作り上げたからである、ということは、この連載でも述べた(「日本経済の明るい未来の作り方はどうすればいいのか? それは『圧倒的世界一』になっている日本競馬の大成功がすべてを教えてくれる」参照)。
一方、記事でも述べたが、生産の成功は、社台グループの創始者・吉田善哉氏の執念と運、それと、日本経済の発展、円高、そして何よりもJRAのレース賞金の大盤振る舞いによるところが大きい。これらが相まって、1990年にアメリカの2冠馬サンデーサイレンスを約20億円で買えたわけだが(そして、それを種付けする一流繁殖牝馬を大量に買えた。こちらは主にJRAの馬券売り上げから来る賞金などのおかげだ)、それが日本の競走馬生産のすべてを変え、いまや生産も世界一となっている。
何度も言うが、調教師をめぐるシステム改革が必要だ
しかし、この間のレース・調教という2つの領域は、欧米に比べて劣っていると言わざるを得ない。これもまた、成功原因と同じJRAが原因なのである。JRAの管理競馬のおかげで八百長は根絶されたといってもいいと思うが、その一方で、レースのレベルも調教のレベルも世界一とはまだ言えない状況にとどまっている。
レースのほうは、JRA純粋培養の騎手に、地方出身の騎手が喝を(活を?)入れたのだが(アンカツこと安藤勝己、岩田康誠、戸崎圭太など)、結局大きく変えたのは、短期免許ということで来日、海外をメインの拠点とする騎手たちだ。
これと並行してJRA騎手同士の競争も激化した。騎手は、かつては各厩舎に所属していたが、いまやほとんどの騎手がフリーとなり、JRAという箱では守られているが、その中では生存競争となり、多くの騎手が(実力のある騎手も含めて)調教助手やほかの道を目指さざるを得なくなっている。
しかし、守られ続けているのが、調教師なのだ。厩務員もそうだが、やはり、調教師改革を進めないといけない。自由競争にする。実力のある調教師が多くの馬を管理できるようにする。ただそれだけのことだ。そのために、JRAのトレーニングセンターにある、馬房の数の平等的配分を改め、やりたい調教師がやりたいだけ馬を預かれるようにすることだ。
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【馬房・外厩の問題を改善したい】
