実は、美香さん自身はひとりっ子として育ったという。4人の子どもたちのことは、どのように見えているのだろうか。
「4人も子どもが集まると、家の中ですでに子どもたちだけの小さな社会ができているんですよね。そばで見ていて『早くから家庭内で身の振り方を学べるのっていいな、社会に出ても役に立つだろうな』と思います」
5歳の末っ子は、しばしば会話の中で『この家で良かった!』と言うそうだ。「彼はいつもきょうだいに囲まれて、常に誰かが遊んでくれる環境にいる。毎日楽しそうに生きている彼を見ると羨ましく感じます」
カイトと大樹のような関係
最後に、夫婦と家族の未来について伺った。
「いつか先に夫が逝くであろうこと、介護をする日がくるかもしれないことを想像しなくもないです。でも、夫は今でもかなり丈夫であまり衰えを感じさせないので、まだ現実的には考えられない、というのが正直なところです」
夫は5月で60歳を迎える。夫と年齢が近い実母も5月生まれで、美香さんと末っ子も5月生まれだ。
「何かみんなで集まってお祝いしたいですね。夫は『赤いちゃんちゃんこ着なきゃ』なんて言ってましたけど(笑)。子どもたちが大人になってからも、そんなふうに気軽に集まれる関係でいられたら嬉しいなと思っています」
後藤夫妻の関係は、まるで自由に空を飛んでいくカイトのような妻と、その糸の元にはどっしりと大地に根を張る大樹のような夫、という図を想像させた。「帰る場所がある」という安心感があるから、カイトは高く飛べるに違いない。
子どもたちは、その母の姿から「自分の好きなことの見つけ方」を、父の姿から「家族の夢はサポートするものであること」を、もうすでに感覚的に学んでいるだろう。そして、巣立った後でも自然にエールを送り合うことができる関係が続いていく未来を想像した。
