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戸田恵梨香が挑む"細木数子"という劇薬 Netflix「実録ドラマ」がことごとくヒットするワケ

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Netflix『地獄に堕ちるわよ』より
Netflixの「実録ドラマ」はなぜ面白いのか? Netflixの強みや「実録もの」の魅力を分析します(画像:Netflix公式HPニュースルーム「
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そしてそのうえで、企画選びにおいて面白さを最優先するという揺るぎない姿勢がある。あるインタビューのなかで、鈴木おさむは「1980年代のダンプ松本の物語はテレビでは絶対通らないでしょうが、Netflixだったら面白がってもらえる」と実体験を踏まえて語っていた(『GALAC』2025年2月号)。

何が面白いかというのは、むろん人それぞれだ。しかし、面白さを最優先するという軸が定まっていれば、いまふれた潤沢な制作費、表現の自由度の高さも相まって斬新な企画も実現しやすい。

こうしたいくつかの要素が合わさってNetflixのオリジナル作品が話題を呼び、支持される流れが生まれているのだろう。

“実録もの”が描く「裏の歴史」

だが加えて、人物の“実録もの”が人気になる理由はどこにあるのだろうか?

テレビで実在の人物がモデルになるドラマと言えば、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)と大河ドラマがまず思い浮かぶ。

この4月から始まった朝ドラ『風、薫る』も、明治期の日本でトレインドナースの草分けとなった2人の女性がモデル。そして今年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、豊臣秀吉の弟・秀長が主人公になっている。

知名度の差はあるだろうが、双方ともに歴史上実在した人物である。努力と才覚によって幾多の苦難や試練を乗り越え、ひとつの分野で大きな物事を成し遂げる。一言で言えば、偉人である。

いわば「表の歴史」を描くこれらのドラマに対し、「裏の歴史」を描くのがNetflixの“実録もの”だ。

歴史上の英雄などを主人公にする大河ドラマにしろ、成功した人物の一代記を描く朝ドラにしろ、基本的には美しいストーリーになる。地上波テレビという性質上、どうしても建前の部分が前提になることは避けられない。

それに対し、Netflixの“実録もの”の主人公は、いずれも強烈な個性の持ち主。本音や欲望をむき出しにしたタイプのキャラクターと言える。主人公たちは、そうせざるを得ない状況があるにせよ、建前だけでは生きていない。

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【“実録もの”は人生の“影”の部分まで描く】

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