松浦亜弥のエア物まね(形態模写)である「エアあやや」でブレークしたタレントであり、トランスジェンダーでもあるはるな愛の半生に基づいたストーリー。松田聖子に憧れ、ショービジネスの世界に飛び込んだはるな愛が形成外科医の和田耕治と出会い、性別適合手術を受けることで自分の進むべき道と居場所を見出していく。
はるなと親交や縁のある藤原紀香、星田英利、MEGUMIらの出演も見どころだが、なによりもまず、はるな愛を演じた望月春希の繊細かつ真っ直ぐな演技、そして斎藤工が演じた和田の医師としての職業的葛藤も丁寧に描かれ、人間ドラマとしての満足度が高い。
また一方で、ショービジネスものならではの華やかさや随所に挟まれるミュージカル風の演出の魅力もあり、娯楽作としての見どころも多い。Netflixの「今日の映画トップ10」で1位を記録するなど、こちらも好成績を収めた。
Netflixはなぜ「面白い」作品を連発できるのか
これらの人気の背景には、やはりNetflixが持つ強みがある。
よく言われる制作費の潤沢さはそのひとつ。ケース・バイ・ケースではあるだろうが、Netflixの1話当たりの制作費は1億円以上ともされ、プライム帯の地上波テレビドラマの数倍と言われる。
強みは、金銭面にとどまらない。これもよく言われることだが、ネットで配信されるNetflix作品のほうが表現の自由度が高い。地上波ドラマにはどうしても描写の制約がある。わかりやすいのは、性や暴力に関連した描写だ。近年はコンプラ意識の高まりによって、さらに制約も強まっている。
たとえば、『全裸監督』には当然ながらAVの撮影現場が頻繁に登場する。女性のヌードもそうだが、性行為についても、地上波ドラマであればNGになるような描写がこちらではかなりの程度可能になる。実際、そうした場面にリアリティがなければ、『全裸監督』はあれほどヒットしなかっただろう。
次ページが続きます:
【人物の“実録もの”が人気になる理由】
