近年のNetflixのオリジナル作品には、こうした事実に基づいて描かれた物語、いわゆる“実録もの”が多い。
2024年に大根仁が監督・脚本、そして綾野剛、豊川悦司らの出演によって大ヒットした『地面師たち』も、実際にあった巨額詐欺事件が基になっている。ドラマでは、その手口をサスペンスタッチで詳細に描き、さらには豊川演じるハリソン山中の物まねもお笑いのネタにされるなど話題を呼んだ。
ただ、“実録もの”のなかでもより目立つのは、『地獄に堕ちるわよ』と同じく有名人をモデルにした作品である。
Netflix“実録もの”ドラマ 過去のヒット作は?
まず思い出すのが、『全裸監督』だ。
1980年代、AV(アダルトビデオ)業界黎明期に時代の寵児となったAV監督の村西とおるが主人公。その破天荒な半生を、やはり実力派俳優の山田孝之が演じたことも話題になった。
同作は、2019年のNetflix日本国内視聴ランキング第1位を獲得。その年に最も多く視聴された作品になった。先日、日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞した森田望智が、当時テレビタレントとしても活躍して有名だったAV女優の黒木香を演じてブレークしたことも思い出される。
この『全裸監督』の画期的な成功がきっかけに、Netflixでは有名人が主人公の“実録もの”が定番になっていく。
24年に配信されてヒットした『極悪女王』もそのひとつ。こちらも80年代が舞台で、当時爆発的な女子プロレスブームを支えたレスラー、ダンプ松本が主人公である。企画・脚本・プロデュースは鈴木おさむ、総監督が白石和彌。
ダンプ松本が女子プロレス入門後、紆余曲折の末に希代の悪役レスラーとして覚醒するまでを描いた同作は、ダンプ松本を演じた芸人・ゆりやんレトリィバァらの体当たりの熱演、試合シーンのリアルさが話題になった。
Netflixの週間ランキング(日本)では、初登場1位。これは6週連続1位を記録していた『地面師たち』の牙城を崩したものだった。
そして今年26年に入り、2月に映画として配信されたのが『This is I』である。こちらも企画は鈴木おさむ。
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【“実録もの”人気の背景にある「Netflixが持つ強み」とは】
