「尿入りの空き缶」は層の下のほうからも出てきた。上に積み重ねられたゴミや、上を歩いたときの重みで潰れ、中身が吹き出していた。
つまり、ゴミの層をつくっていた水分のほとんどが尿だったということだ。これで、不用意にバールで掘り起こすこともできなくなってしまった。
部屋を次々とゴミだらけにしてしまった
今回の片付けを依頼したのは、住人である男性の息子だった。20年前まではこの家で父親と同居していたが、家を出た後もときどき訪れてはいたという。
「前に来たときはあっちの部屋で生活していたみたいですが、いっぱいになって移ったみたいですね」(息子)
父親は1つの部屋をゴミでいっぱいにすると別の部屋に移り、またゴミでいっぱいにしてしまう。そんな生活を繰り返していくうち、家全体がゴミ屋敷になってしまった。息子が続ける。
「私も自分なりに1日4袋ずつ捨てたりしていた時期もあったんです。でも、途中で腰の骨を折り、寝たきりになってしまったりして、まったく追いつかなくなりました」
そこからイーブイに連絡するまでにも時間がかかったという。「こんな状態にしてしまって」と躊躇したが、妹に背中を押される形でようやく相談をすることができた。父親は別の物件へ引っ越すことになっており、今回の片付けはそのための準備でもあった。
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【そこには20年分の生活の痕跡があった】
