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「ベジタリアンにならないか?」フランス人の夫の提案から始まった…人気ブーランジェリーが歩む「夫唱婦随」の難路

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「食の未来」を変える小さな選択肢を増やしたいという(写真:宝島社提供)
  • 石川 芳美 「メゾン ランドゥメンヌ」オーナーシェフ
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CO2削減や資源使用量を毎年算出したり、エネルギーや環境に関する部署を作ったりもしています。

遠くから輸送される原料はなるべく使わず、一部では市場で廃棄される予定の食材を引き取ったりするなど可能な範囲で取り組んでいます。また、ノルマンディーに財団を作り、土地の管理なども進めています。

こうした事業は、すべて最初から計画していたわけではありません。

1つの疑問から始まり、必要に迫られて動き、そこから新しい形が生まれていったものです。振り返ると、私たちはいつも、問題があればイチから仕組みを作り、それを事業として展開していくというゼロイチベースの全力投球型のやり方をしています。

夫とは、「フィールド」は違っても「テーマ」は同じ

夫とは、仕事でも多くのプロジェクトを一緒に進めていますが、すべてを2人で同じようにやっているわけではありません。グループとして動いているので、それぞれが関わる範囲は異なります。

ただ、共通しているプロジェクトが多いので、結果的に同じ方向を向いているのだと思います。

たとえば、夫は南フランスの大学で講義をすることがありますし、私は日本の大学や専門学校で講義をすることがあります。

内容は主にSDGsや食と環境の関係についてです。食から見たCO2排出量の話や、食がどれほど大きな環境負荷を持っているかという話を、専門的な視点から伝える人はまだそれほど多くないので、私たちが呼ばれる機会が増えているのだと思います。

夫はフランス、私は日本で活動することが多いですが、私はフランスで公演を行ったりポッドキャストに出たりすることもあります。フィールドは違っていても、同じテーマをそれぞれの場所で伝えているというのは、とてもおもしろいことだなと思います。

目指しているところは同じで、ただ得意分野が異なるだけ。私はどちらかというとアーティスト寄りの人間なので、表現や感覚の部分が大きいですし、夫は経営者として非常に優秀で、アイデアも豊富です。

私は経営者としては彼ほどではありませんが、今は好きなこと、やりたいことを中心に関わっています。

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【「未来のために何ができるか」】

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