ただ、作品の真価を見極めるのはこれからになりそうです。
日本発の作品ではよくある傾向ですが、そこからさらに他国へ広がっていくかという点では、まだ様子見の段階といえそうです。他国へ広がっていかない理由の1つは、日本のドラマ作りの文法そのものにあります。
題材がダークでも人物の感情や関係性に重心を置く作りは、日本の視聴者には心地よく響きますが、グローバル市場では独自性が強く映ります。その点、韓国ドラマは海外ドラマの文法で作られているから、国境を越えて広がりやすい。
「グロさがないから見やすい」という評価の声も
もっとも、日本の視聴者をしっかり満足させていることは評価できそうです。実際、SNS上では「グロさがないから見やすい」といった声が多く見られました。暴力的な表現が苦手な人でも入りやすい作品であるのは確かです。
筆者自身がこの作品の面白さを感じ始めたのも、登場人物たちの関係性が深まる6話以降でした。問題を抱えた少女がAV業界で自分の居場所を見つけようとするエピソードから、人間ドラマとしての厚みが出てきます。
その中で、AVメーカーの社長を演じる長谷川忍(シソンヌ)が爪痕を残しています。あまりにもはまり役で、悪役演技のうまさが光っています。ほか、池田エライザ、音尾琢真、ムロツヨシらの起用も安定感があり、適材適所のキャスティングの強さが、この作品を支えていることがよくわかります。
こうして見ていくと、町田演じる壬生が物語のバランスを取る重要なキャラクターのひとりであることを実感できるはず。回を追うごとに人間味がにじみ、愛犬・おもちの悲しい話でふと見せる素顔が印象に残ります。いわゆる“極悪ドラマ”の中で、気づけば好きになっているタイプのキャラクターなのです。町田のこれまでの出演作と重ねながら見るのも、1つの楽しみ方です。
