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サッポロがヱビスビール発祥の地「恵比寿ガーデンプレイス」を手放す・・・ビール事業への回帰を図る大決断の背景

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サッポロHDの発表会
4月3日、YEBISU BREWERY TOKYOでサッポロHDは新たな取り組みを発表した(写真:編集部撮影)

恵比寿ガーデンプレイス内にある「YEBISU BREWERY TOKYO」。サッポロが運営する体験施設で、醸造したての「ヱビスビール」を味わえるとあって、ファンや観光客からの人気を集め、開業から2年間で57万人が訪れた。

ビール業界では、今年10月に大きな動きがある。ビールと発泡酒などの酒税が一本化され、ビールは減税されることになる。ビール類の販売数量のうち、8割を「ヱビス」や「黒ラベル」などが占めるサッポロにとっては追い風だ。

4月3日、酒税一本化まで半年を切ったこの日、サッポロHDはYEBISU BREWERY TOKYOで「ヱビスブランドの強化」を狙った新たな取り組みについて発表した。

攻めに転じるサッポロ

サッポロによると、「ヱビス」は、プレミアム帯のビール市場が苦戦する中、2025年の店頭販売金額ベースの販売規模では、前年を5%上回った。新規顧客率は68%で、若年層にもファン層の拡大をもくろむサッポロの狙いどおりの結果となっている。

さらに、ヱビスビールの「注ぎ方」や、歴史・知識を習得した飲食店店主などを「マスターオブヱビス」として認定する取り組みを始める。飲食店での「体験」を通じてブランド認知を高め、ファンを拡大し、ブランドの強化を図る戦略だ。

「ヱビス」と「黒ラベル」の2大ブランドの強化は、サッポロにとって26年の最重要施策だ。というのも、サッポロホールディングスは、これまで収益柱だった不動産事業を手放すからだ。

恵比寿ガーデンプレイスは、1889年に建設した「ヱビスビール醸造場」(恵比寿工場)の跡地を再開発し、1994年にオープンした。サッポロHD本社など約50社が入居する「恵比寿ガーデンプレイスタワー」をはじめ、敷地内には商業施設やホテルなども並ぶ。

同施設の24年の事業利益は59億円で、サッポロHDの不動産事業全体(同78億円)の実に75%超を占めた。

ただ、サッポロHDの松風里栄子副社長は「その恵比寿ガーデンプレイスが、不動産事業を売却した主な理由の一つだ」と語る。結果としてサッポロは不動産事業の売却を決断し、「酒類事業に集中」する方向に舵を切ることとなった。

なぜサッポロHDは今、事業利益の3割超を稼ぐ「虎の子」を手放すのか。激変するビール市場で勝ち残るための、"背水の陣"とも言える決断の裏側とは。不動産売却で中心的役割を担った松風副社長に直撃したインタビュー記事「〈キーマンに聞く〉サッポロは、なぜ虎の子の恵比寿ガーデンプレイスを手放すのか? 松風副社長が語った売却決断の裏側」は、東洋経済オンライン有料版で公開中です。

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