さて、前段が長くなってしまったが、この手のマシン工房(バックヤードビルダー的少人数ブランド)の場合、近藤代表のコメントにもあるとおり、どうしても“際物”的な不安定なプロダクツが多いのも事実だ。事前にメーカー発信の情報に目を通していたが、私も実際に目にするまで注目していなかった。
しかし、実車を目にすると、ロレンスは今までに見た、どのモーターサイクルとも比べようがない美しさがあり、その仕上げは現代的。4輪車に例えると、ブガッティの「ヴェイロン」とお伝えすればわかりやすいだろう。特別なマシンなのだ。
ビレットパーツを多様した作り込み
エンジンシリンダーヘッドとサーモスタットバイパス、ウォータポンプカバーは砂型鋳造だが、それ以外はすべてビレットパーツで組み上げられている。金型に流して成形する鋳造ではなく、あらゆるパーツが金属の塊から削り出して成形されているのだ。
ファイアリングオーダー270度の997cc水冷DOHC 88度V型2気筒エンジンは、オールチタン製削り出しバックボーンフレームから吊り下げられる形。そこにフロントサスペンション&フォークAssyとしてフィオーレタイプフォークが装着されている。これは4輪サスペンションのダブルウイッシュボーンを進行方向に向けて取り付け、アップライトの役目をステム&フォークAssyが務める形状だ。
フロントアクスルのストロークは120mmを確保しているので標準的なもの。写真で見ると車体とフォークの間でブラックペイントされたパーツがTig溶接で組み立てられたクロモリ製ダブルウイッシュボーンで、その奥にフロントサスペンションが収まる。
リヤまわりを見ると、後ろバンクシリンダーヘッドからチタン製の美しくこちらもTig溶接で組み立てられたパイプフレームが、シートレールとしてライダー&パッセンジャーと左右に出された美しいステンレステーパーエキゾーストを支える。
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【ロレンスにまたがった印象】
