現存する車両の歴史的価値は高く、世界中の愛好家の間で取引されている。余談ではあるが、創業社のジョージ・ブラフとアルバート・ウォリスは、ブラフ・シューペリアの顧客管理として、第2次大戦後に会社を清算したあとも69年までマシン整備を行い、部品を供給し続けたというから驚きだ。
また、同社ではレース参戦やサイドカー生産、極少量ながら4輪車両の生産も行っていた。当時のブラフ・シューペリアの品質の高さと仕上げのよさに対して、賞賛の言葉として「ロールス・ロイスに匹敵する」とモーターサイクル専門誌がうたっている。
2013年にブラフ・シューペリアが完全復活
現代に話を戻そう――。
近年では2008年にヴィンテージ・モーターサイクル界での活動家マーク・アッパム氏がブランド権を獲得し、ブラフ・シューペリアを現代に甦らせるプロジェクトをスタートした。
パートナーに選んだのは、フランスのデザイン会社(エンジン、シャーシ、ボディーワーク)である「ボクサーデザイン」のティエリー・アンシエット氏。そして、13年イタリアで開催されたEICMA(ミラノショー)にて、伝説のモデル「S.S.100」のネーミングでオリジナルエンジン搭載の100%新設計のブラフ・シューペリアを発表。世界中のファンから喝采を浴びることとなった。
15年には南フランスのトゥールーズに新しいファクトリーを完成させ、100年前のように最新の設備と熟練したエンジニアスタッフで1台1台が丁寧に組み付けられている。
19年、ブラフ・シューペリア創業100周年モデルを発表。ブランド復活のニュースから10年、このアニバーサリーモデルは愛好家にとっては堪らないマシンとなった。
同年秋にはイギリスの名門自動車メーカー「アストンマーティン」との100台限定モデルの「AMB001」を発表。乾燥重量180kgのボディに、134kWを発揮するターボチャージャー付きのVツインエンジンを搭載したサーキット専用マシンが瞬く間に世界中のコレクターの手にわたったことは衝撃的であった。
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【年間100台のみが生産されるブラフ・シューペリア】
