特に苦痛に感じるのは最後に下船するときだ。クルーズの終了と次のクルーズの開始が同日の場合が多い。そのため、最終地の入港が朝の8時くらいになり、部屋をやはり同時刻くらいに空けることを求められる。
下船は順番となり、部屋ごとに下船予定時刻が通知される。まず、MSCヨットクラブの乗船客が優先され、その後、部屋のグレードや階数により下船時間が指定されるのだが、下船開始から終了まで3時間ほどかかるのだ。
もっとも時間がかかったときは、8時入港、同時刻に部屋を空け、下船開始が9時頃だったが、筆者の客室に割り振られた下船時間はほぼ最後で12時に近かった。すなわち、部屋を出てから約4時間後だった。船内は部屋を追い出された人であふれ、座る場所がないほどだ。
また、海上は陸地以上に天候に左右される。大型船は比較的に揺れが少ないが、ベリッシマのような超大型船ですら、ゆらゆら揺れることはあり、船酔いをする人もいる。また、クルーズスケジュールが変更になることも少なくない。寄港自体がキャンセルになることもあるので、寄港予定地でレンタカーや飲食店を予約する場合は注意が必要だ。
クルーズの特性を理解して選択を
日本のクルーズ市場は大衆化の進展とともに多様化し、利用者にとっての選択肢は大きく増えている。その一方で、価格やサービスの関係は複雑化しており、理解不足での選択は期待との乖離を生む可能性がある。クルーズは単なる移動手段ではなく、船内での時間そのものを楽しむ旅行商品と言えるので、選択違いがあると影響は大きい。
客船クルーズの特性を理解し、自身の目的に合った選択を行うことが満足度の高い船旅を実現するカギとなるだろう。
