次世代半導体の量産を目指すラピダス、富士通から超低消費電力半導体プロセッサーの製造を受託へ

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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

経済産業省は11日、次世代半導体の量産を目指すラピダスの技術開発に対する2026年度の補助金として6315億円が承認されたと発表した。富士通が手掛ける人工知能(AI)向け超低消費電力半導体プロセッサーを受託生産するなど国産体制の強化に取り組む。

経産省の資料によると、3月にラピダスの技術開発に関する外部有識者による審査を実施。進捗(しんちょく)が評価され、今年度の追加予算として前工程5141億円、後工程で1174億円が26年度予算に委託費として計上された。ラピダスへの補助金はこれまでの分を合わせて総額2兆3000億円を超える。

富士通はAI処理を社会実装するために消費電力を抑えたAI半導体やシステムを開発する。赤沢亮正経産相は北海道千歳市で、ラピダス計画は政府が進める成長投資の要となるもので「国益のために必ず成功させなければならない国家プロジェクト」だと表現。トランプ関税や中東情勢など乗り越えるべき課題は多いが、「本当の戦いはここにある。勝たなければならない」と述べた。

ラピダスは、27年度から最先端の2ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体を量産する目標を掲げる。AIや量子コンピューターなどでの需要が見込まれるほか、経済安全保障の観点からも自国で半導体を生産する重要性が高まっているとして政府も支援を強化している。

政府は補助金とは別に今年度までに政府として計2500億円を出資。上場を計画する31年度ごろまでに民間から1兆円規模の出資と政府債務保証も活用して2兆円以上の融資の確保も目指している。赤沢経産相は、27年度の量産化に向けたスケジュールについて「順調である」との認識を示した。民間からの出資については「想定以上に集まっている」と述べ、資金調達を今後一層加速させるとの考えを示した。

ラピダスは量産技術の確立や大口顧客の確保などの課題に加え、足元では中東情勢の緊張によるエネルギーコストや材料調達への影響も懸念されており、計画実現に向けたハードルは依然として高い。

そうした中でラピダスは同日、最先端ロジック半導体の解析や特性評価を担う解析センターを千歳市に設立したと発表した。同社の既存工場に隣接した土地で半導体の基板となるウエハーの解析を担い、量産成功の鍵となる歩留まりの改善などに取り組む。

ラピダスの小池淳義社長によると、物理回線や環境分析に加え、デバイスの性能や信頼性の解析を「今までにないスピード」で行うことが可能になる点が特徴だという。また、すでに一部稼働している半導体後工程の開発拠点も本格稼働し、半導体の前工程から一貫して生産する態勢を整える。

小池氏は試作を終えてから、27年度後半には実際の顧客製品を「ある程度の数量で」量産する段階に入ると説明。研究開発をさらに充実し、「最先端半導体の量産へと着実につなげていきたい」と述べた。

著者:清原真里

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