そもそも右派とは何か
右派に関する本には、「右派を定義することは難しい」といったことがよく書いてあります。あくまでも相対的な位置づけを表す語句なので、何が「右」で、何が「右」でないかをはっきり線引きすることはできません。また、何が「右」であるかは、その社会の歴史、政治、文化などに左右されるので、時代や地域が違えば、意味内容が大きく違ってしまうこともあります*1。
もちろん、時代や地域にかかわりなく、当てはまりのよい定義はいくつかあるので、それをベースに考えてよいと思います。それでも、特定の時代や地域の実情(本書であれば現代日本社会)を考慮したほうが、現象の理解には有用です。本書の定義も、絶対的な基準というわけではありません。あくまでも、現代日本の右派市民について考えるための便宜的な定義と考えてください。
まず、これまでどのように定義されてきたかを確認しましょう。右派は「左派」との対比で用いられ、ほとんどの場合、政治における主要な対立を表します。そもそもの語源としては、フランス革命後の議会の話がよく出てきます(議会の右側に座っているから右派、左側に座っているから左派といわれたようです)。以前からの社会のしくみを重視し、それを維持しようとする立場が「右」(保守)、ある理想に立って新しい社会を作ることを重視し、変革を試みようとする立場が「左」(急進・革新・進歩)とされました。
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【左右を区別する3つの視点】
