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右派と左派は何が違う?「日本への愛着」「伝統を重視」現代日本で何が"右"とみなされるか

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「右派」「左派」という言葉の定義について、あらためて考えます(写真:マノリ / PIXTA)
  • 松谷 満 中京大学 現代社会学部 教授
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しかしその後、古いか新しいかという違いにとどまらず、政治上の主要な対立を左右で表現するようになりました。それは国や時代によって異なり、あるところでは経済的な側面が、あるところでは文化的な側面が軸となりました。

経済的な左右は、簡単に言ってしまえば、「自由な資本主義経済か、平等な社会主義経済か」といった対立になります。文化的な左右は、先に述べたように、国や伝統を重視するのかどうかといったことが重要になります。ただし、繰り返しになりますが、何が重要な対立軸となるか、具体的に何が問題とされるのかは時と場合によって異なりますし、同時代に生きる人々のあいだでも認識が異なります。

左右を区別する視点

先ほどから、定義は時と場合によると繰り返しているので、それならば、左右などというあいまいな表現を使わなければよいと思われるかもしれません。しかし、それでも使用されるのは、「右」と「左」という対比的なとらえ方が状況を理解するのに便利だからです。また、違いがあるとはいえ、共通のパターンのようなものはあります。一つは先に述べた、「維持か変革か」というものです。

過去志向か未来志向か

ほかにも参考になるとらえ方を2つ紹介します。哲学者のリチャード・ローティは左右を次のようにとらえていました。

〈右翼〉はどんなものにも変更する必要があるとは決して考えない(略)国家は基本的によい状態にあり、過去の方がもっとずっとよかったかもしれない、と〈右翼〉は考えるのである。〈左翼〉が社会正義を求めて引き起こす闘争を単にもめごとを起こしているだけだ、と〈右翼〉は見ており、空想を追い求める愚かなことだと思っているのである。(略)〈左翼〉は私たちの国家がまだ完成されていないと主張している。
(リチャード・ローティ『アメリカ未完のプロジェクト 20世紀アメリカにおける左翼思想』小澤照彦訳、晃洋書房、2000年、14ページ、強調は筆者〈以下同〉)

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【平等についての考え方の違い】

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