Aでは氏族、Bでは国家、Cでは資本が優位になる。近現代の社会は氏族、国家、資本の原理が絡み合っているが資本が優位を占める経済社会である。こういう社会では今後、戦争と恐慌、つまりBとCが必然的にもたらす危機が幾度も生じるだろうと柄谷氏は警鐘を鳴らす。ただ、絶望することはない。Aの高次元での回復としてのDが必ず到来するからである。このDをある時期、柄谷氏は共産主義とかアソシエーションとかいう用語で表現していた。
ところが今回の定本で、Dに関する考え方を大幅に変更した。Dは此岸(この世)に短期間だけ狭い場所で現れるAであるとした。その理由について、柄谷氏は定本の成立過程について文庫版のあとがきにこう記す。
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