日本限定「イサイブルー」を投入したPixel 10a、価格据え置きと機能取捨でaシリーズ重視を鮮明にしたグーグルの戦略

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Pixelシリーズは大きく分けて、10万円を超えるProシリーズと、手に取りやすい価格帯のaシリーズで構成されている。グローバルではProシリーズが花形だが、日本ではaシリーズこそがブランド成長を牽引してきた。阿部氏は「日本はGoogleにとってaシリーズの成功がブランド全体の成長を牽引する、世界で極めて重要な市場の一つ」と位置づけた。

IDC Japanの調査によれば、グーグルは2025年4〜6月期の国内スマートフォン出荷台数で2位に入り、前年同期比57.8%増を記録した。同年4月発売の「Pixel 9a」が大きく寄与した結果だ。

IDCは「Pixelのaシリーズはコストパフォーマンスが消費者に高く評価されており、近年は日本市場で人気モデルとしての地位を獲得している」と分析する一方、「ProやFoldなどのプレミアムモデルの販売は苦戦している」とも指摘している。日本のPixelはaシリーズで伸びている、という構図がデータでも裏付けられている。

日本限定モデルの開発は、こうした販売実績の上に成り立っている。阿部氏は「Pixelユーザーがすごく多い日本だからこそ、こういう挑戦ができた」と語った。

価格据え置きは「半分、決断だった」

Pixel 10aはプロセッサーに2024年発売のPixel 9シリーズと同じ「Google Tensor G4」を採用した。

これまでaシリーズは、直近のナンバリングモデルと同じ世代のチップを載せるのが通例だった。2025年8月発売のPixel 10シリーズはTSMC製の3nmプロセスで製造された「Tensor G5」を搭載しており、Pixel 10aはそこから1世代前のG4をあえて選んだ形になる。

この方針転換について問われた阿部氏は「aシリーズは総合力のバランスが非常に重要な端末。性能と機能とコストのバランスを保つうえで、G4は安定したパフォーマンスと高い汎用性がある」と説明した。

チップを据え置いた分、価格も据え置いた。128GBモデルで7万9900円は、前モデルのPixel 9aから変わっていない。ただしスマートフォン業界全体では、部品コストの上昇圧力が強まっている。調査会社Counterpoint Researchによると、AI需要の急増でデータセンター向けメモリの生産が優先された結果、スマートフォン向けの部品コストが上昇している。特にミッドレンジ端末では約15%の上昇で、ハイエンド(約10%)より影響が大きい。

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