「財布に札束」がステータスだった日本のバブル世代に対し、インドは一足飛びに「完全キャッシュレス」へと進化を遂げた。
2025年11月、インドのデジタル決済インフラ(UPI)の利用は単月で約200億件を突破。金額にして約45兆円がスマホ一つで動いている。
道端の物乞いも、路地裏の20円チャイ屋も、野菜売りのリヤカーも、すべてQRコードを掲げている。かつて我々がポケベルやFAXで四苦八苦していたインフラ整備を、インドは「デジタル公共インフラ(インディア・スタック)」として一気に完成させてしまったのだ。
ちなみにインディア・スタックには、「Aadhaar(アダール)」と呼ばれるインド版マイナンバーも含まれていて、現在インド15億人のうちおよそ95%が「マイナンバー」の登録を完了している。
眠れる獅子が起きた!「本当のインド」を直視せよ
「インドがこんなことになっているとは、まったく知らなかった」
今のインドは、単なる成長市場ではない。20年前の中国、あるいは我々が夢中になった高度経済成長期の日本が、AIとスマホを装備して現代に蘇ったような存在なのだ。
平均年齢はわずか28歳。15億人の人口のうち、65%以上が35歳以下。この「人口ボーナス」という名の最強のカードを手にした国が、今後の世界をリードしないはずがない。
日本は高度経済成長期を経験しているからこそ、今のインドが放つ「明日は今日より必ず良くなる」という空気感の正体を、どの国よりも正しく理解できるはずである。
かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称賛された我々の経験を、今のインドの熱狂にどう掛け合わせるか。
今世紀最大の成長市場の「今」を、どうか直視してほしい。あの頃の熱気は、今、インドで形を変えて、しかし同じ温度で爆発している。

