東京都八王子市出身の吉川さんは、1996年に山梨県甲府市出身の妻と結婚。新居を構える場所は、お互いの実家に一本で帰れる中央線沿いに決めた。
複数の候補駅のなかから中野を選んだのは、東西線も乗り入れていて当時の勤務先に通いやすかったことに加え、「中野はおもしろい街だ」と直感したからだ。一時はフリーランスとして活動していたが、再び会社員に。現在は中央線で御茶ノ水に通勤する日々を送っている。
中野〜高円寺エリアに住んで30年。実家にいた頃から数えると、人生の大半を中央線沿いで過ごしていることになる。「長い路線ならではの情報量がある」と語る彼に、長く住んでいるからこそわかる沿線の魅力を聞いた。
東京と名古屋を結ぶ長大なJR中央線
東京駅から愛知県の名古屋駅まで続く、長大な幹線であるJR中央線。東京・中野駅を最寄りとする吉川さんに沿線の魅力を聞いてみると、真っ先に返ってきたのは意外な答えだった。
「中央線のなにがいいって、東西に長い路線だからこそ景色がいいんですね」
サッカー好きで各地のスタジアムに足を運んでいた吉川さんは、そうした他路線との違いを肌で感じてきた。たとえば茨城の鹿嶋方面に向かう路線では田園風景が続き「あまり景色が変わらないな」と感じることもあったそうだ。しかし、中央線はひと味違う。
「中央線はひと駅ごとに景色が変わるんです。田舎のほうに行っても、トンネルを抜けると急に雪景色になったり、桜や桃の花が広がっていたりするんですよ。都心の住宅街が続く区間の景色も好きですね。それぞれの駅でいい景色を楽しめます」
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【車窓の景色の豊かさに加え、交通面での強みも】
