松本:そうして幅広く学んでいたおかげで、ダーウィンはビーグル号で向かったガラパゴス諸島で新説を思いつきます。『種の起源』で唱えた進化論自体は、現在では間違っていると言われていますが、新しい発想につながる豊かな引き出しがあったのは素晴らしいことです。私はこの話を父に聞かされていたので、あまり早いうちに道を絞るのはよくないかもしれない、と思うようになりましたね。
窪田:近年のスポーツ教育で言われていることにも通じるお話だと思います。最近では、子どものころにマルチスポーツをやっているほうが、最終的な身体能力の到達点が高くなるとされています。何かひとつの競技に特化してトレーニングしている場合、確かにその競技は上手になるけれど、前者のほうが総合的なパフォーマンスが高くなるのだとか。とくに幼少期や若いうちに、いろいろな経験をすることは大事だと感じます。
ルビの有無が人類の未来も決める!?
松本:ただ、本人にとって、強いパッションを伴ってやりたいことがあれば話は別だと思いますね。「これがやりたい!」というものが早くから決まっていれば。
窪田:おっしゃるとおり、そういうものに出合えることがベストですね。でもそれはもはや運命ですから、なかなか難しいのでしょう。「何がしたいかわからない」と思いながら、やみくもに探し続けてしまう人も少なくないと思います。
松本:だからこそ、ルビの存在が生きてくるのです。子どもの本だけでなく大人の本にもルビが振ってあれば、子どもたちはもっと自由に本を読んで、好奇心の幅を広げることができるはずです。
やっぱり天才っているもので、例えば大人向けの相対性理論の本さえ理解できるような子どもだっていると思うんです。もしこの子が英語圏に住んでいるなら、アルファベットさえ読めれば、大人の本も読み解くことができるでしょう。しかし日本に住んでいたら、大人の本の漢字が読めないということだけで、好奇心が阻まれてしまうかもしれません。それによって、その後のその子の人生や、ひょっとしたら人類の技術革新にも影響が出ることだってあり得ます。
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【いまも強く願う英語のスキルアップ、複雑な文化も伝えたい】
