吹奏楽部など応援団の宿泊費も学校持ち…甲子園出場で学校にのしかかる巨額負担の実態

✎ 1〜 ✎ 223 ✎ 224 ✎ 225 ✎ 226
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

前述のように300人規模の応援団を結成すれば、遠隔地の場合、交通費、宿泊費の総額は1試合当たり2000万円を超す。選手の父母やOBなどは自費負担で参加することもあるが、吹奏楽部の生徒やベンチ入りしない野球部員、教職員などの費用は、学校側が負担することになる。

甲子園出場が決まってから金策に走る

基本的に、高校は甲子園出場の交通費、宿泊費などの費用に、通常の「部活動費」を充てることはない。「部活動費」は通常の部活動のための費用であり、甲子園出場などの「臨時のイベント」への出場費用は予算計上していないことが多い。ほとんどの学校が、甲子園出場が決まってから「応援団」の交通費、宿泊費などの金策に走ることになる。

2025年夏の沖縄尚学(写真:筆者撮影)

第一に動くのが「寄付金の募集」だ。校友会、OB会などの組織、父母会に寄付を募る。甲子園常連校の卒業生にとっては「甲子園出場の寄付金のお願い」は、恒例行事のようになっている。大学の付属校、系列校などは、大学の校友会や同窓会などにも寄付の依頼が来ることがある。

2023年、慶應義塾高校が夏の甲子園に出場し、107年ぶりに優勝した時は、三田会など卒業生の組織からの寄付が殺到。甲子園には関西在住者を中心に卒業生が大挙押し寄せ、応援団の指定席であるアルプス席だけでなく、一般席にも広がり、応援ルールを守らず応援する人が多数出て顰蹙を買ったのは記憶に新しい。

対照的に、歴史が浅い学校が「21世紀枠」などで出場が決まると、学校側は対応に苦慮する。急遽OB会や校友会が結成される場合もあるが、それでも寄付が集まらない場合は、学校周辺の商店や一般住民などからも寄付を募ることもある。それでも目標額に達しそうにないときは、前述のようにクラウドファンディングを行う。昨年、21世紀枠で春の甲子園に初出場した横浜清陵高は、クラファンで目標額の2000万円に達した。しかし多くは数百万円規模であり、クラファンだけで費用の大半を賄うのは難しい。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事