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ビジネス #トヨタの挑戦

〈ご意見番に聞く〉中国車の圧倒的なスピードとコスト競争力を学び、同質化に抗え!トヨタが描く「事故ゼロ」への道

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中西孝樹(なかにし・たかき)/1986年米オレゴン大学を卒業。メリルリンチ日本証券などを経て、2013年に独立。30年近くにわたって、自動車産業を見続けてきた(写真:ヒダキトモコ)
100年に1度の変革期と言われる自動車業界。日系自動車メーカーは新興の中国自動車メーカーとの激しい競争やAI(人工知能)を通じた開発・生産革命といった劇的な競争環境の変化に直面している。
そして今後はソフトウェアによって価値が左右される車両を指すSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)で勝てるかどうかが生き残りに向けた条件となる。トヨタをはじめとした日系自動車メーカーには何が求められるのか。長年自動車業界を見てきたナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表アナリストに聞いた。

異業種からの参入がもたらす力

――中国勢の強み、競争力はどこにあると思いますか。

まず彼らはEVを後発ながら新しいビジネスとして始めたわけだからゼロベースで設計しやすいということがある。そして、中国の自動車産業の立ち位置と国家戦略がうまくかみあった。

車載システムは非常に先進的でソフトウェアファーストで車の仕組みを劇的に変えたことは画期的と言える。日本勢はソフトウェアにメインのハードを紐づける形で開発をして、社会的に競争力を得てきた自負がある。それぞれ個々のシステムを全部独立した考え方で開発を進めている、いわば封建的な分業制だ。

ソフトウェアはそもそもUI(ユーザーインターフェース)がUX(ユーザー体験)を決めてからそれを提供できるソフトウェアのプラットフォームを考える。そこにハードを紐づけていく。プロセスがまったく違う。だからこそ日本勢を含めた伝統的自動車メーカーは開発時間が48カ月間もかかるし、中国勢は15カ月で開発してしまう。

――自動車業界の前提を破壊し続けているのが中国勢です。

例えばBYDはそもそも電池メーカーで、シャオミ(小米)やファーウェイもスマートフォンメーカーであり自動車メーカーではない。ジーリー(吉利汽車)は自動車メーカーだが買収を繰り返して水平的拡大をしている。

意味するところは自動車産業の中で革新的なビジネスモデルを一気に取り入れている、伝統的自動車メーカーの強みがない位置からスタートしていることこそが強さということだ。

次ページが続きます:
【驚異的なコスト競争力の裏側へ】

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