異業種からの参入がもたらす力
――中国勢の強み、競争力はどこにあると思いますか。
まず彼らはEVを後発ながら新しいビジネスとして始めたわけだからゼロベースで設計しやすいということがある。そして、中国の自動車産業の立ち位置と国家戦略がうまくかみあった。
車載システムは非常に先進的でソフトウェアファーストで車の仕組みを劇的に変えたことは画期的と言える。日本勢はソフトウェアにメインのハードを紐づける形で開発をして、社会的に競争力を得てきた自負がある。それぞれ個々のシステムを全部独立した考え方で開発を進めている、いわば封建的な分業制だ。
ソフトウェアはそもそもUI(ユーザーインターフェース)がUX(ユーザー体験)を決めてからそれを提供できるソフトウェアのプラットフォームを考える。そこにハードを紐づけていく。プロセスがまったく違う。だからこそ日本勢を含めた伝統的自動車メーカーは開発時間が48カ月間もかかるし、中国勢は15カ月で開発してしまう。
――自動車業界の前提を破壊し続けているのが中国勢です。
例えばBYDはそもそも電池メーカーで、シャオミ(小米)やファーウェイもスマートフォンメーカーであり自動車メーカーではない。ジーリー(吉利汽車)は自動車メーカーだが買収を繰り返して水平的拡大をしている。
意味するところは自動車産業の中で革新的なビジネスモデルを一気に取り入れている、伝統的自動車メーカーの強みがない位置からスタートしていることこそが強さということだ。
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【驚異的なコスト競争力の裏側へ】
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