「お礼を言いに行こう」と養護施設の子供たちが60キロ自転車で走ってきて…山形の有名ラーメン店が社会に恩返しする理由

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子どもたちはメニューを調べ、「何を食べようか」と話し合う。そしてそれは単なるご馳走ではなく、「経験」として積み重なっていく。

新旬屋 本店
食事中の子どもたちも思わず笑顔に(写真:筆者撮影)

地元で受けた音を、次世代に繋げていく

半田さんの原点には、地元・戸沢村で受けた支えがある。

「本当にいろんな人にお世話になった。その恩返しをしたい」

その思いが、活動の根底にある。そして今、その視点はさらに広がっている。

「店の売り上げも大事。でも、それだけじゃないステージに来ている気がする」

新旬屋 本店
ラーメンが、人と人との温かい輪を作っている(写真:筆者撮影)

山形全体を「ラーメン」でつなげたい。そう語る半田さんは、他のラーメン店とも連携し、県全体の児童養護施設との交流を模索している。さらに、施設に出向いてラーメンを作ることや、子どもたちの進学支援など、新たな構想も動き始めている。

「ラーメンって、一番幸せを感じられる食べ物だと思うんですよ」

新旬屋 本店
「金の鶏中華 ワンタン入り」1190円(写真:筆者撮影)

半田さんの言葉は、どこか確信に満ちている。子どもの頃、親がいない日に出前で食べたラーメン。部活の後にみんなで食べに行った町中華。誰しもが、そんな記憶の中の一杯を持っている。

ラーメンは、単なる食事ではない。時間と感情を閉じ込める器だ。だからこそ、彼は願う。

「あの時ラーメン旨かったな、楽しかったなって思い出してくれたら嬉しい」

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