そう言って、もらった自転車に乗り、片道60キロ強の道のりを走ってやってきたのだ。しかも、その日は8月の一年で最も暑い日だった。
「人生で一番感動しました。ラーメン屋やっててよかったって、本気で思いましたね」
ラーメンを作ることが、人の記憶に残る。誰かの行動を生む。その実感は、彼の中で決定的なものになった。
「誰かと楽しく食べる経験」が大事
双葉荘の荘長、荒井聡さんは語る。
「子どもたちにとって、食事は一番大切なんです」
施設には、さまざまな事情を抱えた子どもたちがいる。虐待やネグレクト、家庭環境の問題。その多くは、「誰かと楽しく食べる経験」を十分に持たないまま育ってきた。
「何を食べるかより、誰と食べるかが大事なんです」
だからこそ、外食は特別な意味を持つ。半田さんの店での食事は、1カ月も前から楽しみにされる行事となった。



















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