「お礼を言いに行こう」と養護施設の子供たちが60キロ自転車で走ってきて…山形の有名ラーメン店が社会に恩返しする理由

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そう言って、もらった自転車に乗り、片道60キロ強の道のりを走ってやってきたのだ。しかも、その日は8月の一年で最も暑い日だった。

新旬屋 本店
5時間半もかけて、60キロ強の道のりを自転車で来てくれた。「人生で一番感動しました」と半田さんは振り返る(写真:筆者撮影)

「人生で一番感動しました。ラーメン屋やっててよかったって、本気で思いましたね」

ラーメンを作ることが、人の記憶に残る。誰かの行動を生む。その実感は、彼の中で決定的なものになった。

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賞金100万円の全額を使って、県内5カ所の児童養護施設へ自転車を寄付した半田さん。店内には感謝のメッセージが掲示されている(写真:筆者撮影)

「誰かと楽しく食べる経験」が大事

双葉荘の荘長、荒井聡さんは語る。

「子どもたちにとって、食事は一番大切なんです」

施設には、さまざまな事情を抱えた子どもたちがいる。虐待やネグレクト、家庭環境の問題。その多くは、「誰かと楽しく食べる経験」を十分に持たないまま育ってきた。

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半田さんの店での食事は、1カ月も前から楽しみにされる行事となっている(写真:筆者撮影)

「何を食べるかより、誰と食べるかが大事なんです」

だからこそ、外食は特別な意味を持つ。半田さんの店での食事は、1カ月も前から楽しみにされる行事となった。

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