「South」の大きな特徴は、その店舗構造にある。モールといえば、建物が横に長く広がるイメージを持つ人が多いだろう。しかし、津田沼South店は1フロア当たりの面積は小さく、その分「縦」に店舗が伸びている。イメージでいえば、デパートに近い構造だ。駅ビルを居抜いているのだから当然かもしれないが、こうした「縦型イオンモール」は珍しい。これを、ここでは便宜的に「デパート型イオンモール」と呼んでおきたい。
イトーヨーカドーからイオンモールへ
こうした「デパート型イオンモール」が誕生したのは、すでに何度か触れている通り、この建物にもともとイトーヨーカドーが入っていたからだ。ヨーカドーはデパートではないが、駅前にあって1フロアの面積がモールよりも狭く、縦に長いという意味では、各地でデパートと似た構造を持つ店舗を出店している。
筆者は以前、津田沼のイトーヨーカドーが閉店する際にその要因について現地のレポートを通して詳しく書いた。そこでは、その衰退を2点に分けて説明している。ヨーカドーをはじめとする総合スーパー(GMS)という業態が持つ問題と、津田沼特有の問題だ。
まず、前者。総合スーパーとは、一つの店舗で衣食住のすべての商品が揃う商業施設のことである。食料品店を核として、多くはプライベートブランドのアパレルや雑貨などを取り扱うことが多い。イトーヨーカドーは典型的な総合スーパーで、1階に食料品店、そして2階以上にアパレルや雑貨を売っていることが多い。
ただ、閉店直前にイトーヨーカドー津田沼店を訪れると、1階の食料品売り場を除いては、人がほとんどいなかった。駅前という好立地でありながら、である(そして、これは津田沼店に限らずである)。
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【総合スーパーの撤退が進んだ理由】
