マレーシア航空が福岡線を20年ぶり復活、週5便で9月就航へ──JAL連携と中東危機で変わるハブ戦略が追い風に

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マレーシア航空の既存の日本路線はすでに好調で、26年第1四半期に成田線のロードファクター(座席利用率)は90%を超えた。日本路線全体でも88%を維持している。

マレーシア航空
深セン・長沙・福岡の3路線就航を発表するMAG幹部と客室乗務員。路線マップのディスプレイを囲んでいる(写真:筆者撮影)

1万便キャンセルからの回復

だが、マレーシア航空がここに至る道のりは平坦ではなかった。

14年にMH370便の失踪とMH17便の撃墜という2つの悲劇に見舞われ、経営危機に陥った同社は、政府系ファンドのカザナ・ナショナルによる経営再建を経て黒字化を果たした。日本でいえばJALの再建に近い構図だが、JALが法的整理を経て12年に再上場したのに対し、マレーシア航空は今もカザナの100%子会社にとどまる。政府の資金枠を後ろ盾に再建を進めている。

ところが24年、立て直したはずの運航体制が再び揺らいだ。同年6月、マレーシア民間航空局(CAAM)がマレーシア航空と整備子会社に対して抜き打ち調査を実施し、機械部品の不足と熟練人材の不足が発覚した。8月には3日間で3件のインシデントが連続して発生し、メルボルン発の便がオーストラリア内陸に緊急着陸する事態にもなった。CAAMは航空運送事業者証明(AOC)の有効期間を通常の3年から1年に短縮し、月次の改善報告を義務づけた。

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4月2日の業績発表で説明するキャプテン・ナサルディン・A・バカールMAGグループCEO(写真:筆者撮影)

ナサルディンCEOは業績発表でこの減便を「意図的なリセットだった。拡大より規律、妥協より管理を選んだ」と振り返った。実際には当局からAOCを短縮される厳しい措置のなかでの判断だったが、結果として運航の立て直しに集中する契機になった。

フーン氏もこの時期を振り返り、「部品が手に入らず、エンジンの不調も続いた。安全を最優先に、約1万便をキャンセルする判断をした」と語った。スペアエンジンやスペアパーツへの投資を進め、サプライヤーとの関係を立て直すことで「機材が確保でき、機体の信頼性を取り戻し、定時運航を実現できる状態まで回復した」という。

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インタビューに応じるブライアン・フーンMAG航空事業部門CEO(写真:筆者撮影)
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