マレーシア航空が福岡線を20年ぶり復活、週5便で9月就航へ──JAL連携と中東危機で変わるハブ戦略が追い風に

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MAGのブライアン・フーン航空事業部門CEO(最高経営責任者)は、MATTA FAIR会場でのインタビューで福岡線の位置づけをこう語った。

「成田と関空で実績を積み上げてきた。日本へのインバウンド需要は非常に強く、今が福岡に戻るタイミングだと判断した」

福岡線は日本航空(JAL)との共同事業(ジョイントビジネス)の枠組みに入る。フーン氏は「マレーシア〜日本間のすべてのフライトはJALとのパートナーシップだ。JALのサポートがあるから福岡に自信を持って臨める」と述べた。成田間は両社合わせて週21便(MH14便、JL7便)、関空間は週7便を運航しており、福岡線もこの体制に加わる。

マレーシア航空
成田空港に駐機するマレーシア航空のA330neo。地上にはJALのコンテナも見える(写真:筆者撮影)

福岡着が朝7時台のため、JAL国内線への乗り継ぎにも適した時間帯だ。フーン氏は福岡〜東京間のコードシェアも「JALと検討していく」と明かした。

半導体と農業、九州の需要を見込む

福岡線で狙うのはレジャー客だけではない。フーン氏は「九州は特に興味深い市場だ」と語り、半導体産業と農業からのビジネス需要にも期待を示した。MAGグループCEOであるキャプテン・ナサルディン・A・バカール氏も、プレスカンファレンスで「九州に半導体工場ができたことで福岡への需要が高まっている」と述べている。

九州にはTSMCの熊本工場をはじめ半導体関連の投資が集中しており、東南アジアの人の往来が増えている。737-8の床下貨物スペース(ベリーカーゴ)を活用すれば、半導体部品や九州産の農産物を東南アジアへ運ぶ物流ルートにもなる。

九州からマレーシアへ年間2万5000人の送客を目標に掲げる。この数字は世界中のネットワークフローの分析と旅行代理店へのヒアリングに基づくという。福岡線に投入する737-8は174席のナローボディ(単通路)機で、成田線のA330neo(約300席のワイドボディ機)に比べると小ぶりだ。

まず小型機の週5便で需要を測り、搭乗率と運賃水準が育てばデイリー運航への増便、さらにA330neoのような大型機への切り替えも視野に入れる。フーン氏は「路線の収益性を重視する。福岡に就航したら、定着させる」と慎重な姿勢も見せた。

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