平井:AIが事例を集めてくれるのは便利そうですね。
細谷:本当に強力です。「こういうメッセージがあって、ここに事例が欲しい、集めてください」と言うと、料理から歴史からスポーツから、あらゆるジャンルから事例を持ってきてくれるんです。自分が詳しくないジャンルからも事例が出てくるので、読者からは「こんなことまで知ってるの?」と驚いてもらえるかもしれません。
日本の知をグローバルへ届けるチャンス
細谷:AIは、日本の出版にとって大きなチャンスだと思っているんです。今まで日本語の本を英語圏に届けるのはハードルが高かった。でも今は日本語の原稿をAIに読み込ませれば、原稿だけなら英語版が半日でできてしまいます。今は世界の知が流通する大きなプラットフォームが「AIのベクトル空間」になっている。したがって日本語で書くだけで、日本の知が世界に届く可能性がある時代になってきている。
平井:これまでの日本の論文はかなりガラパゴスですからね。経営学などを勉強していると、日本と海外が同じようなタイミングで同じような議論をしているのに、お互いに参照し合えていません。日本は海外の動向を認知していても、向こうは日本の動向なんて知らないんです。日本の知がもったいないと思っていました。
細谷:それこそ日本の図解コンテンツは、完全にホワイトスペースです。英語圏でのビジネスパーソンが読みそうな本は文字が多い印象が強い割に、プレゼンになると極端に文字が少なくなります。その中間にシンプルな図解という手法があり、それは日本の著作の多くが高いクオリティでやってきた領域です。しかもアニメや禅的なシンプリシティに通じる日本らしさがある。図解は、日本発のコンテンツが世界に出ていく切り口になるかもしれません。
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【今こそ学びたいのは歴史】
