平井:私は今、論文を書かないといけない立場で、英語論文を泣きながら読んでいます。でも、アウトプットにばかり時間を取られていて、インプットが追いつきません。
細谷:私もまったく同じ状況です。例えば歴史の勉強がしたいですね。動画等で歴史番組を見るとすごく面白いのに、1週間後にはすっかり忘れていることとかもよくあります(笑)。歴史に限らず最新技術の進化も速すぎてインプットが追いつかない。
平井:歴史は面白いです。私は受験で歴史を選択しなかったんです。日本史・世界史は勉強量が多すぎて合格するには効率が悪い、努力が割に合わないと思って、地理を選択しました。
ただ、歴史の「流れ」には興味があります。ある出来事が起こり、こんな論理でつながって、また別の出来事が起こる。その流れがわかると、無味乾燥に思えた年号にも興味が湧いて、記憶にも残ると思うんです。つまり、抽象から入って、具体に降りていける。
しかし、今の歴史の教科書は個別の出来事を連ねているだけで、全体の抽象が見えないし、流れを図解してくれるものもありません。
世界史を1枚で図解したい
細谷:そうなんです。実際には「流れで捉える日本史・世界史」的な本があります。ただ、私が期待している抽象度とはまったく違う。
理想を言うと、「1ページで」世界史を表現してほしいんですよ。例えば、人口はこう増えた、お金の量はこう増えた、貧富の差はこう変化した、この国の歴史はこう、とそれぞれを切り口・トピック毎に各々。そういう1枚をまとめた世界史の教科書がほしい。あまりに大ざっぱすぎて、学者や専門家は書いてくれないでしょうが(笑)。
平井:「歳を取ると歴史が好きになる」と言いますが本当にそうで、歴史は学びが多いですね。大学の経営学の授業でイギリスの産業革命を扱うのですが、人類最大のイノベーションですから、紙数枚にまとめた情報だけで2~3時間は議論できます。当時の人々がなぜそう判断したのか、どんな論理で動いたのか、それを考えると、今の自分や組織と重なる部分も見えてきます。
そのような具体と抽象の往復を通じて学びたいのが歴史ですし、それは「考える」ことそのものですね。
(構成:東雄介)
