言語で人間に勝るAIが「図」を描けない理由。元コンサル教授×「抽象」のプロが「『考える』を考える」対談【前編】
平井:私もパワポは使いますが、1枚1枚を完成させるというより、書き出したものを並べ替えて、だんだん全体像が出来上がっていく感じです。それでも重要な要点や分析の着眼点などはA4の紙に書き出しますね。1枚書いたらまた1枚、1つの仕事が終わるまで紙を重ねて、束ねていきます。
細谷:書いたら捨てない?
平井:捨てません。コンサル時代のプロジェクト期間中は、書いたものは全部ためておいて、行き詰まると見返していました。すると「こんなことも考えていたのか」という発見があるんです。
それに紙にしておくと、頭の中にイメージが残りやすいのか、ずっと考えていられます。電車に乗っているときも「あ、そうだ」とひらめいたら、いったんスマホにメモして、会社に着いてから紙に書き足して、またためていく。考えた痕跡が蓄積されていく感覚が、私には大事みたいです。
「1次元」の音声より「2次元」の紙
細谷:最近は音声入力をメモに使う人も増えているようですが、私はあまり。電車の中では声が出せないというのもありますが、そもそも音声って制約が大きいですよね。
平井:聞き直すにも時間がかかりますし、耳から頭に入ってきても、すっと消えていく感じがします。書いておけばパッと見て全体と細部を一度に把握できるのが、紙の強みだと思います。
細谷:そうそう。話言葉は基本的にシーケンシャル、1次元なんです。一方紙は2次元で、そこに価値がある。スマホのメモも便利ですけどね。よく言われることですが、「ひらめき」はボーッとしているとき、例えばお風呂に入っているときなどにやってくる。でも、入浴中にメモはできないので、風呂を出たらそのままスマホに入力して、それから服を着る、ということがよくあります(笑)。



















