「努力も才能のうち」は本当か? 脳医学者が語る、子どもが"自走"し始める前に親ができること

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脳科学的に考えると、「好き」というのは脳の報酬系が働いたときに起きる反応と言われています。たとえば、音楽を聴いたり、映像を観たり、人と話したり。そうした刺激を受け取って、「これはおもしろい」「楽しいなぁ」と思うと、ドーパミンという物質が分泌されます。

そのときの「おもしろかった」「楽しかった」という印象は脳に保存されて、次に同じことをしたり、同じ状況に置かれたりすると、またドーパミンが分泌されます。この流れを繰り返していくことで、人はものごとを「好き」になっていくのです。言い換えると、どんどん「はまっていく」とも言えます。こころよく感じるもの(=好きなこと)は「またやりたくなる」のです。

ドーパミンは快楽物質と言われるものですが、実はその役割を考えると、「やる気のみなもと」と言うことができます。「次はこんなことがしたいな」と想像をしたり、「次はこんなことが起きるかも!」と期待をするときにも分泌されることがわかっています。だから、一度夢中になると、止まらなくなるのです。

夢中でものごとに取り組んでいくと、「またやりたい!」「もっと知りたい!」「もっとうまくなりたい!」と、ますます夢中になっていきます。その状態の何が素晴らしいかというと、「やらされ感」や「努力せねば」といった悲壮感のようなものが少ないということ。より自然体に近い状態で、練習したり、調べたりすることができる。そして、結果が出れば嬉しくなって、ますます夢中になっていく……と、このようないい連鎖が起こるのです。

子どもの「好き」を見つける基本的な考え方

では、子どもの好きを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか? その基本となる考え方は、「親(自分)が好きなこと、やってきたこと、ちょっと得意なことを一緒にやってみる」です。

「ものごとを好きになる」ことの、大きなポイントは「単純接触効果」です。単純接触効果とは、何度も同じものや人にふれていると、だんだんと好感を抱くようになる、という心理作用です。最初から「これが大好き!」ということは、実はそんなにありません。

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