AFEELA 1中止でも「ソニーは生きる」と言える理由。Googleの自動運転タクシーのように技術は違う形で再起する

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つまり、ソニーが考えるモビリティとは、AFEELAのような形だけではなく、さまざまなジャンルや形を考えていることがおわかりだろう。

一方、車両としての開発は実にならなかったものの、そこに搭載された技術があとに日の目を見たものとしては、Googleの自動運転が挙げられる。

Googleが開発した自動運転車(写真:Google)

Googleは、2009年に自動運転の研究開発を始めると、2015年には2人乗りでステアリングやペダルを持たないカプセル型の車両を開発。公道での自動運転を成功させた。

誰からも親しまれそうなデザインを含めて、既存のクルマとはまるで違う内容に圧倒されたものだ。

しかし、そのあと自動運転部門がWaymo(ウェイモ)として独立すると、車両の開発からは手を引き、既存の車種に自動運転機構を追加する手法に転換した。

東京都内を走るWaymoの自動運転テスト車(筆者撮影)

その結果、今では全米10都市で自動運転タクシーが営業運行を始めており、日本ではタクシーアプリ「GO」および日本交通とパートナーシップを締結。現在、東京で自動運転車両を導入すべく、テスト走行を続けている。

「それだけの価値がある」AFEELAの技術

AFEELAに搭載された技術も、Waymoのような手法で展開することは可能だろう。

AFEELAというブランドは引き継がれるか、パートナーがホンダのままか、それ以外になるかはわからないが、筆者が体験した限りは、それだけの価値があると感じている。

エンジン音こそが最高の音楽だ、と考えるクルマ好きもいるだろう。しかしS.RIDEのエンタメビジネスは順調だし、多くの若者がイヤホンを着けて歩き、公共交通の車内では動画を見たりゲームに興じたりしているのが事実である。

もしVISION-Sの段階でプロジェクトが中止されていたら、このプロジェクトの内容を体感できた人はわずかで、その後の展開が難しくなったのではないだろうか。

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車両の開発やショールームの整備など、このプロジェクトへの投資は相当レベルであるはずで、ダメージが大きいことは確実だが、ここで得られた知見はこれからのクルマ社会で役立つはずだと思っている。

【写真】幻となったソニー・ホンダモビリティ「AFEELA 1」の姿をもう一度(23枚)
森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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