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患者を不幸にする"標準治療原理主義"の正体…標準治療は「規準治療」 40年患者を診てきた医師が明かすがん医療の実態

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病棟で立つ医師
「がん治療において、標準治療は最良の治療ではない」と筆者。その真意は?(写真:Tatsuya Osawa/PIXTA)
  • 新見 正則 オックスフォード大学医学博士・新見正則医院院長

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疑うべき「がん治療」の常識とは?――40年の医師歴でたどり着いた、本当に知っておきたいがんとの向き合い方をご紹介します(新見正則著『患者さんのためのがん治療ハンドブック どの病院、どの治療、どの医師、そして最も大切なものは?』より一部抜粋、編集してお届けします)。

標準治療が最良なのか?

はじめて免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボが保険適用された疾患は、悪性黒色腫※でした。当時でも、ほかの多くのがんにオプジーボが効くとは思っていない専門医が少なくありませんでした。

オプジーボは、がんが進行して西洋医学的治療で手の打ちようのなくなった患者さんで、まず臨床試験が行われました。そして再発例に、その後2次治療※に拡大され、最近では初回治療からオプジーボが保険適用で使用可能になっているがんもあります。

そんなにオプジーボが有効な治療法なら「なんで私にオプジーボを最初から使ってくれなかったんだ!」と、後悔の気持ちを持っている患者さんも多数存在するのです。

オプジーボの魅力は、生存曲線でテイルプラトーを示す症例が存在することです。

生存曲線は縦軸が生存率、横軸が経過年数(経過時間)です。多くの抗がん剤は、生存率を少々アップさせても、いずれゼロに近づきます。抗がん剤の多くは着地点を少々先延ばしするだけ、着陸の傾きを少々緩やかにするだけなのです。

ところがオプジーボは、生存率の低下がある年数からは認められなくなります。これをテイルプラトー(尻尾が平行)と称します。つまり、がんを克服できる患者がいることを示します。

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【ステージ4でも長生きできる時代に】

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