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患者を不幸にする"標準治療原理主義"の正体…標準治療は「規準治療」 40年患者を診てきた医師が明かすがん医療の実態

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病棟で立つ医師
「がん治療において、標準治療は最良の治療ではない」と筆者。その真意は?(写真:Tatsuya Osawa/PIXTA)
  • 新見 正則 オックスフォード大学医学博士・新見正則医院院長
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彼らのインチキ医療/トンデモ医療の定義は、おおむね「明らかな抗がんエビデンスがないのに、高額な自費診療を行い、がん患者さんを苦しめている治療」といったものです。

そんな詐欺まがいのインチキ医療/トンデモ医療が存在する可能性を否定しませんし、確かにそんなものが実在しています。しかし、その治療が本当に無効だと結論付けるのは実は相当難しいのです。

芳しい結果を残せなかった治療

彼らのターゲットになっているのは、自己免疫細胞療法、ANK細胞療法、ペプチドワクチン療法、樹状細胞療法、養子細胞免疫療法などと称されているものです。

『患者さんのためのがん治療ハンドブック どの病院、どの治療、どの医師、そして最も大切なものは?』(新興医学出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

これらの治療は、実は1990年代から大学の研究室でも実験が重ねられ、そして臨床でも使用され、残念ながら芳しい結果は残せませんでした。

いわゆる「免疫療法」と称するものは効かないというレッテルを貼られていたのです。そして、それらを今でも効くようにうたっているいかがわしいクリニックが存在することも事実でしょう。

そこで登場したのが免疫チェックポイント阻害薬で、こちらはそんな免疫療法は効かないという呪縛に取りつかれていた腫瘍内科医の心も激変させました。そして開発者の1人である本庶佑先生は2018年のノーベル賞に輝きました。

免疫チェックポイント阻害薬は免疫系のブレーキを外す薬剤です。一方で今まで効果が確認できなかった先ほど挙げたような「免疫療法」は免疫のアクセルを強める試みでした。

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