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患者を不幸にする"標準治療原理主義"の正体…標準治療は「規準治療」 40年患者を診てきた医師が明かすがん医療の実態

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病棟で立つ医師
「がん治療において、標準治療は最良の治療ではない」と筆者。その真意は?(写真:Tatsuya Osawa/PIXTA)
  • 新見 正則 オックスフォード大学医学博士・新見正則医院院長
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ステージ4の患者さんでも生き残る可能性があることを示すのです。つまり、長期生存の希望になります。

(画像:『患者さんのためのがん治療ハンドブック どの病院、どの治療、どの医師、そして最も大切なものは?』より)

ほかの免疫チェックポイント阻害薬でも、オプジーボ同様の効果が確認されています。医療は進歩するのです。標準治療が最良の治療ではないことがオプジーボの例を見ても、明快にわかります。

※悪性黒色腫:皮膚がんの一種でメラノーマとも呼ばれる ※2次治療:抗がん剤治療において最初に使用した抗がん剤からの次の治療

オックスフォードで学んだこと

私がオックスフォード大学大学院で免疫学を学んでいた当時(1993~1998年)は、T細胞※を刺激する(アクセルを踏む)ためには、副刺激※が必要なことが、ぼんやりとわかり始めていた頃でした。

T細胞への主刺激※は、T細胞受容体とそのリガンド(相手方)です。そのリガンドは、MHCという移植時の拒絶反応に強く関わる分子に乗った10個前後のアミノ酸です。その主刺激だけではT細胞は活性化されず、副刺激の必要性が解明されていました。

そんな研究の中で、たまたまプログラムされた細胞死※(Programmed Cell Death)に関わる物質として同定されたものが、PD-1です。

PD-1に対する抗体の1つがオプジーボでした。

次ページが続きます:
【オプジーボが効くメカニズム】

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