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患者を不幸にする"標準治療原理主義"の正体…標準治療は「規準治療」 40年患者を診てきた医師が明かすがん医療の実態

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病棟で立つ医師
「がん治療において、標準治療は最良の治療ではない」と筆者。その真意は?(写真:Tatsuya Osawa/PIXTA)
  • 新見 正則 オックスフォード大学医学博士・新見正則医院院長
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PD-1経路はブレーキの役割で、ここをブロックするオプジーボはブレーキを外して、T細胞免疫を活性化するものでした。懐かしい思い出です。

そして帰国後、自分の研究室でもPD-1経路をブロックするマウスの抗体の実験を行い論文にしました。その後、いろいろな実験を行い、脳と音楽の関係を研究した論文は2013年のイグノーベル賞に輝きました。

※T細胞:異物を認識し、攻撃・指令・抑制を通じて免疫反応を調整する。免疫機能において重要な役割をもつ細胞 ※主刺激・副刺激:主刺激はT細胞に異物を見分けさせること、副刺激はその異物と戦うべきか判断させることであり、それらによってT細胞は正しく働くようになる ※プログラムされた細胞死:細胞は自ら死ぬ仕組みによって働きを終え、体の安全を保っている

標準治療は「規準治療」

Standard Therapyを日本語訳すると標準治療になります。

これが誤訳だと私は思っています。Standardを和訳すれば「標準」になりますが、標準は平均的という意味合いが強いのです。

「規準」を英訳すると、これもStandardになります。規準とは、物事の規範や手本の意味です。私の理解ではいま世の中で語られている「標準治療」は「規準治療」なのです。世界の、そして日本のエビデンスに沿って多くの患者さんに最適と思われる1つの規準(規範や手本)です。

患者さんはそれぞれです。そして患っているがんもいろいろです。

ですから「規準治療」を患者さんも医療サイドも知って、患者さんの希望や個体差、がんの状態などを勘案して、そこから最適な治療を選べば良いのです。

「標準治療は最良の治療だ!」と語っても、一般の方にはピンとこないのではないでしょうか。標準は平均の意味で「並」の治療と理解するのが通常です。そして、実際に「並」の治療です。一般の方では当然に、そして多くの医師も実はそう理解していると思います。

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【標準治療原理主義の問題点】

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