社員38人で売上80億円はなぜ可能なのか? AIが加工工程を自動化する工作機械が職人不足と100兆円市場に与える影響

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アルムは2015年、秋田県秋田市の金属切削加工企業オーエスイーを子会社化した。オーエスイーには経験20〜30年の熟練エンジニアが在籍していた。職人の技能のほとんどは言語化されない暗黙知だ。どの角度で刃物を当てるか、送り速度をどう加減するかといった判断は、長年の経験で体に染みついている。

アルムは独自のフォーマットを設計し、職人たちの加工条件を体系的に記録していった。当初は協力的でなかった職人もいたという。現在では57.6兆通りの加工条件データセットに成長し、これがTTMC Brainの判断基盤になっている。

機械同士が会話して工程を分け合う

Originにはもう1つ、TypeFにない特徴がある。複数台を並べると、機械同士が通信して工程を自動分割する機能だ。

たとえばOriginを3台並べたとする。1号機に加工を指示すると、荒加工は自分が担当し、中仕上げは2号機に、仕上げ加工は3号機にと、自動的に工程を振り分ける。人がやるのは工程間で材料を移し替える作業だけだ。

分割する理由は3つある。1つは経年劣化で機械ごとに精度が異なるため、精度が落ちた機械には荒加工を割り当てる合理性があること。2つ目は、1台で最初から最後まで加工するより工程を並列化したほうが生産速度が上がること。3つ目は、各機械の使用頻度を平準化して寿命を延ばせることだ。

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