《英国イケメンと駆け落ち》後に…73歳女性が経験した"壮絶な50年" 何度も離婚を考えた彼女が"それでも連れ添った"訳
深夜1時、夫の日記
2022年8月、夫は肺がんで亡くなった。76歳だった。
「全力でやりきった」とすっきりとした顔で広子さんは語る。
「最後の最後までやれるだけやった。これで人生終わっても構いません、って気分です」
夫の死後しばらくして、広子さんはある物を思い出した。
長年その存在を知りながら、一度も開いたことのなかったノート。マレーシア時代の終わりに、夫がひとり旅のために買った日記帳だ。
とある眠れない夜の午前1時。初めてページをめくった。
中身はほとんど旅の記録だった。どこに行った、いくら使った、そんなことばかり。だが、ところどころに、広子さんの名前が出てくる。
ネパールの安宿に泊まった夜。バックパックのチャックが壊れ、現金を狙われる不安に襲われていた。<中身を見られたかもしれない。殺されるかもしれない>と書いてあった。一睡もできなかった、と。翌朝、生きていたとも。その日の記述の最後に、こう書かれていた。
<昨夜、恐怖に怯えながら、広子のことを心から愛していると思った。 もうこれまでのように広子をないがしろにしない。彼女の望みにもっと応え、わがままもつつしもうと思う。身に沁みた>
初めて知った夫の本音だった。
「面と向かってそんなこと言われたことなかったから。こんなこと考えてたんだって驚きました」
夫を看取ってから4年。2人で過ごした家を見つめながら広子さんは静かに言った。
「もし生まれ変わったとしたら、また一緒になりたいですね」
(後編へ続きます)
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