東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

《英国イケメンと駆け落ち》後に…73歳女性が経験した"壮絶な50年" 何度も離婚を考えた彼女が"それでも連れ添った"訳

9分で読める
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES
暖炉のあるリビング。ふたりの時間がそのまま残っている(写真:筆者撮影)

深夜1時、夫の日記

2022年8月、夫は肺がんで亡くなった。76歳だった。

「全力でやりきった」とすっきりとした顔で広子さんは語る。

「最後の最後までやれるだけやった。これで人生終わっても構いません、って気分です」

居間に飾られた夫の遺影。夫が毎日飲んでいた紅茶をお供えするのが広子さんの日課だ(写真:筆者撮影)

夫の死後しばらくして、広子さんはある物を思い出した。

長年その存在を知りながら、一度も開いたことのなかったノート。マレーシア時代の終わりに、夫がひとり旅のために買った日記帳だ。

とある眠れない夜の午前1時。初めてページをめくった。

中身はほとんど旅の記録だった。どこに行った、いくら使った、そんなことばかり。だが、ところどころに、広子さんの名前が出てくる。

ネパールの安宿に泊まった夜。バックパックのチャックが壊れ、現金を狙われる不安に襲われていた。<中身を見られたかもしれない。殺されるかもしれない>と書いてあった。一睡もできなかった、と。翌朝、生きていたとも。その日の記述の最後に、こう書かれていた。

<昨夜、恐怖に怯えながら、広子のことを心から愛していると思った。 もうこれまでのように広子をないがしろにしない。彼女の望みにもっと応え、わがままもつつしもうと思う。身に沁みた>

初めて知った夫の本音だった。

「面と向かってそんなこと言われたことなかったから。こんなこと考えてたんだって驚きました」

夫を看取ってから4年。2人で過ごした家を見つめながら広子さんは静かに言った。

「もし生まれ変わったとしたら、また一緒になりたいですね」

後編へ続きます)

夫の介護と看取りの日々、そして73歳海外ひとり生活の「いま」を写真とともにお届けする。
【後編はこちら】46歳で海外移住→69歳で"イギリス人夫"と死別 それでも日本には帰らず… 73歳女性《ヨーロッパひとり暮らし》のリアル

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象